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アルファタウリ・ホンダF1コラム:ドライビングの美点を遺憾なく発揮したガスリーと、苦しみ続けたクビアト

2020年10月30日

 2020年F1第12戦ポルトガルGPでは、ピエール・ガスリーが5位でレースを終え「小さな勝利のようなものだ」と上位入賞を喜ぶ一方、ダニール・クビアトはタイヤに苦労したことなどもあって19位だった。


 さて今回も、クビアトとガスリーのふたり、そしてチームのパフォーマンスを10点満点で私的に採点していこう。ポルトガルGPでの評価は、以下の通りだ。


【ドライバー】
ピエール・ガスリー 予選9番手/決勝5位 → 8/10点満点
ダニール・クビアト 予選13番手/決勝19位 → 5/10点満点


【チーム】
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ 7/10点満点


 ガスリーが、またも輝いたレースだった。アルガルベ・サーキットは他のほとんどのドライバー同様初体験のコースで、1周でも多く走り込んでコースに慣れたいところだった。ところが初日FP2でいきなりパワーユニット(PU)のトラブルに見舞われ、予定していた半分ほどの周回しかできなかった。


 おまけにマシンは炎上し、甚大なダメージを受けた。チームはほぼ徹夜で修復作業にあたり、2日目のFP3、予選に間に合わせた。モノコックや足回りを全取っ替えすると、まったく違うフィーリングになってしまうことも珍しくない。しかしガスリーは走り始めてすぐに、「乗り慣れたクルマの感覚だ!」と感激を無線で伝え、スタッフの努力に応えるようにFP3でいきなり4番手タイムを叩き出した。Q1でも再度4番手、Q2も7番手タイムで、今季7度目のQ3進出を決めた。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第12戦ポルトガルGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)


 残念ながらQ3では頻繁に変わる風向きに翻弄され、Q2での自己ベストより0.5秒近く遅いタイムが精一杯。9番手に終わった。


 中古ソフトでスタートした今季これまでのレースでは、すぐにタイヤが劣化して順位を落とすことが多かった。それが今回は、中古ソフト勢では最長の28周目まで引っ張り、その間にキミ・ライコネン(アルファロメオ)やマクラーレン2台を次々に抜く速さも見せて、4番手まで順位をあげた。


 新品ミディアムに履き替えてからも速さは衰えず、コース復帰直後にかわされたダニエル・リカルド(ルノー)を抜き返すと、終盤にはセルジオ・ペレス(レーシングポイント)も仕留めて、メルセデス2台、レッドブル、フェラーリのすぐ後ろでチェッカーを受けた。


 19台が完走するなかでの中団勢トップの5位は、実に価値ある入賞と言える。思い切りのいいオーバーテクと、ミスのない走り。タイヤを労ることも忘れない。ガスリーのドライビングの美点が、余すところなく披露された1戦だった。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第12戦ポルトガルGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)


 一方のクビアトは、予選レースともに苦しみ続けた。「マシン挙動が安定せず、思い切ってプッシュできない」と、予選13番手。レースでは新品ミディアムでスタートしながら、直後に19番手まで順位を落とし、その後もペースが上がらない。終盤にはコースリミット違反で5秒加算ペナルティも受け、19位チェッカーに終わった。


 すでに何度も書いてきたが、今季のクビアトはシーズン終盤の今も浮上のきっかけを掴めずにいる。予選ではガスリーに全敗、レースでもガスリーの63ポイントに対しクビアトはわずか14ポイントと、大差がついている。トロロッソ初年度や、レッドブル昇格直後の速さを知る者としては、どうしてしまったのかと思わざるをえない。


 去年のクビアトは、間違いなく復調しかけていた。第11戦ドイツGPでは、3位表彰台にも上がっている。その時点でクビアトは選手権暫定9位につけ、15位だったチームメイトのアルボンよりも活躍していたことは間違いない。ところがハンガリーGP後、レッドブルはクビアトではなくアルボンを抜擢した。その挫折を、今も引きずっているということなのだろうか。

2020年F1第12戦ポルトガルGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第12戦ポルトガルGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第12戦ポルトガルGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)



(柴田久仁夫)




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