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F1 Topic:セバスチャン・ベッテルの「信じられないミス」はなぜ起きたのか

2018年7月24日

 F1第11戦ドイツGP決勝レースで、ポールポジションから好スタートを決め、レース中盤までトップを快走していたフェラーリのセバスチャン・ベッテル。しかし、52周目、インフィールドセクションに入って最初の左コーナーであるザックス・カーブを曲がりきれず、タイヤバリアに突っ込んでクラッシュを喫した。


 グラベルの餌食となったベッテルは、コックピット内でステアリングを激しく両手で叩き、行き場のない悔しさをぶつけた。


 なぜ、ベッテルはミスを犯したのか?


 スカイ・スポーツの解説を務めるためにホッケンハイムを訪れていたニコ・ロズベルグは、「あのコーナーはあまりミスを犯す場所ではないので、信じられないミスだった」と語っていた。


 だが、フリー走行ではザックス・カーブでコースオフするドライバーがいたように、簡単なコーナーではない。しかもあのとき、サーキットでは雨が降り始めていた。当時の状況を、チームメートのキミ・ライコネンは次のように説明する。


「かなり難しい状況だった。いくつかのコーナーではまだグリップがあるのに、別の場所では全くグリップしないんだ。だから、いつスローダウンすべきなのか、どこにグリップがあるかがわかりにくかった」


「当然ながらブレーキングゾーンより前で、それを判断しなければならないから、予測するしかない。そして、もし予想よりも路面が濡れていたら、対処のしようがなかった」


 ライコネンが言うには、もっとも難しいコンディションだったのが、セーフティカーが入る直前だったという。セーフティカーはベッテルのクラッシュによって出されたわけだから、ベッテルがクラッシュしたときがもっとも難しい状況だったと言っていいだろう。


 じつはそのライコネンも、ベッテルがクラッシュする直前の51周目にコースオフしてバルテリ・ボッタスにオーバーテイクされ、3番手に後退していた。


 しかし、ロズベルグはスカイ・スポーツで「ベッテルには十分なマージンがあった。難しいコンディションだったのだから、もう少し慎重に走るべきだったのではないか」と指摘する。


 しかし、ベッテルにはあのとき、余裕はなかった。コースアウトの瞬間を次のように説明している。


「あのコーナーの進入でブレーキが少し遅れてしまい、フロントをロックさせた」


 事実、コースアウトする前の51周目のラップタイムはライコネンより4秒速く、2番手に上がったボッタスよりも2秒速い。ボッタスとの差は9秒。なぜ、ベッテルは難しいコンディションのなか、アクセルを緩めようとしなかったのか。それは4番手に上がっていたルイス・ハミルトンの存在が関係していたのではないだろうか。



マシンを降り悔しさを顕にするベッテル
 興味深いのは、ベッテルがクラッシュする直前の51周目のラップタイムでベッテルの1分29秒270を上回るタイムで走行していたドライバーがひとりだけいる。それがハミルトンだった。つまり、ベッテルの走りは必ずしも無謀ではなかった。では、なぜハミルトンはクラッシュせず、ベッテルはミスを犯したのか。


 もちろん、そこにはハミルトンの巧みなドライビングも関係していたのだろうが、そもそも今年のフェラーリとメルセデスには決定的に異なるマシン特性があることを忘れてはならない。


 それはフェラーリはストレートで速く、メルセデスは中高速コーナーで強い。ドイツGPの土曜日の予選でもセクター1と2で最速だったのはベッテルで、セクター3はボッタスがトップだった。


 ドライの予選ではフェラーリが速かったが、ウエットコンディションではメルセデスのほうが速くなっていた。それでも、51周目の時点でベッテルとハミルトンとの差は12秒あった。ベッテルは何を焦ったのか。


 考えられることはそのとき装着していたタイヤだ。ベッテルは25周目に交換したソフトだったのに対して、ハミルトンは42周目に交換したばかりのウルトラソフト。雨はすぐに止むという予報だったので、このまま2人はステイアウトして、レースは残り15周の勝負となる。


 そのとき、少し濡れた路面で有利なのは作動温度領域が低めに設定されているウルトラソフト。ベッテルにとって、12秒のマージンは決して十分ではなかった。


 もし、あのミスがなくても、ベッテルが勝てたかどうかは疑問だ。だから、ベッテルは言う。


「すべては雨だった。今日の僕たちには雨は必要なかったんだ」



(Masahiro Owari)




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