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【トロロッソ・ホンダ/ガスリー密着コラム】アップグレード版PUへの載せ替えを直談判。レッドブルの決断にも貢献

2018年6月20日

 2018年、ホンダF1はトロロッソと組んで新しいスタートを切った。新プロジェクトの成功のカギを握る期待の新人ピエール・ガスリーのグランプリウイークエンドに密着し、ガスリーとトロロッソ・ホンダの戦いの舞台裏を伝える。


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 ほぼ毎レースのように、山あり谷ありの展開となっているピエール・ガスリー。初めてのカナダでも、アップダウンの激しい週末を送った。


 ホンダ期待の改良版パワーユニットで走った初日。FP1でいきなり10番手の速さを見せ、幸先のいいスタートを切る。ところが午後のFP2は18番手。ガスリー自身は「エンジンマップのセッティングを間違えたようで、パワーが出なかった」と言っていた。


 ところが田辺豊治テクニカルディレクターにその話をすると、「え?」と、ちょっと意外そうな表情をした。


 その話題はそこで終わったが、田辺エンジニアのリアクションがちょっと気になった。あとで他の関係者に聞いたところでは、どうやらガスリー自身が操作を間違えたというのが真相のようだ。田辺さん、大人の対応だな。ていうかガスリー、他人のせいにしちゃダメでしょ。


 そして二日目。FP3終了直前に、パワーロスの症状が発生。予選まで2時間しかなく、原因を調べているヒマはない。とりあえず旧仕様のパワーユニットに載せ換えて出走したが、遅いクルマに引っかかる不運もあってQ1落ち。16番手に終わった。


 するとその晩のガスリーは、ホンダとトロロッソ双方の幹部エンジニアに、改良版でレースを走りたいと直々に訴えたのだった。図らずも新旧両バージョンを同じサーキットで走ったことで、新型のパフォーマンス向上が実感できた。なにより次戦は、ガスリーの地元フランスGPである。なのでカナダでパワーユニットを交換して、グリッド降格のペナルティを済ませておきたかったのだ。


 最後列19番グリッドからスタートしたガスリーは、入賞まであと一歩の11位完走に終わる。けれどもレース後の本人は、晴れ晴れとした表情だった。「ストレートでフォース・インディアとハースを抜いた。そんなこと、今までならありえなかった」。


 投入したばかりの新型にトラブルが出るなど、信頼性には依然として不安が残る。しかしこれについてもガスリーは、「でも同じ仕様できっちりレースを走り切ったし、フランスGPまでに原因を突き止めて対策してくれるはずだ」と、ホンダへの信頼は揺るぎない。


 初日終了後にはレッドブルエンジニアがガスリーの元にやって来て、ホンダのアップグレードについてかなり根掘り葉掘り聞き取り調査をしたという。すでにカナダの段階ではレッドブルは2019年からホンダと組むことがほぼ決まっていたわけだが、正常進化を遂げていることのダメ押しの確認だったということなのだろう。

2018年F1第7戦カナダGP ポイント獲得を逃した直後とは思えない、晴れ晴れとした表情のレース後のガスリー

 今週末のポール・リカールはガスリーにとって、ホームサーキットというほど慣れ親しんだコースではない。それでもF4とFルノー2リッターの両カテゴリーで、ここでの優勝を経験している。グリッド降格の呪縛もなくなったガスリーが、自国GPでいつも以上のパフォーマンスを発揮しようと気合いを入れまくっているのは間違いない。


 さらにホンダと組む来季のレッドブルは、まだダニエル・リカルドの去就が未知数だ。もしリカルドがフェラーリに移籍すれば、普通ならカルロス・サインツが跡を狙うのが妥当である。しかし、レッドブルとルノーが話し合って、サインツは今後もルノーに残留することで手を打った可能性もある。となると、今後の活躍次第でガスリーのレッドブル昇格が視野に入って来る。ガスリーとしては、いっそう気合いが入るわけである。



(取材・文 柴田久仁夫)




レース

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