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今宮純によるF1モナコGP採点:敗れて笑顔なし、12年ぶりモナコ最速ラップのライコネン

2017年6月2日

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。


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☆1 フェリペ・マッサ
 パディ・ロウにも打つ手がなかった。FP1から路面が変化していくにつれ、ポジションダウン。Q2に進むのがやっとのベテランは今年ワースト14位グリッドに沈没。そこから入賞ラインまで浮上、次々に若手が自滅する市街戦に忍耐力が実った。マッサ流、これがモナコの戦い方。


☆2 ストフェル・バンドーン
 結果はともなわなくても、フェルナンド・アロンソ不在の穴をカバーしたと言えるだろう。セクタータイムを合算すると予選7位に相当、6位セルジオ・ペレスに1000分の5秒差。


 セクター3では好調トロロッソのカルロス・サインツjr、以上、現状マシンのポテンシャルを引き出していた。それだけに初モナコ、2度のクラッシュが惜しまれる。

ストフェル・バンドーン(マクラーレン)
ストフェル・バンドーン(マクラーレン)


☆2 ケビン・マグヌッセン
 ノートラブルでフリー走行100ラップ。徐々にマシンを好みに仕上げ、自分のリズムもコース・コンディションに合わせこめた。パンク・トラブルにもめげずプッシュ、ハース・チーム初めてのダブル入賞を。


☆2 ダニール・クビアト
 ラスカス進入でブレーキングがワンテンポずれ、守るべきインサイドを空けてしまった。そこにペレスが入り込もうとして接触。初日FP2を4位発進、手ごたえがあったが予選で渋滞にはまり9位グリッドに。


 ストレスが溜まっていただけにこの結末に怒り心頭、15年4位入賞に次ぐ今年のモナコは破壊された。


☆3 ロマン・グロージャン
 まるでサーカス・ドライビング、フリー走行では何度もひやりとした。それでも攻めるのがグロージャン・スタイル、マシン限界域ぎりぎりのアタックで予選8位。自身3度目、初ダブル入賞でルノーと同点、マグヌッセンとのコンビ力は6点先行のウイリアムズを上回る。ますます中間チーム『抗争激化』の予感。


☆3 マックス・フェルスタッペン
 3年目の本気。周囲からまだ一度も完走がないと騒がれても、走り出しからひたすらアタック。それがマックスらしい。


「早すぎたピットストップ」に不満のコメントもそうだ。負け嫌いな強いメンタル、19歳の若者の顔面に見てとれる3年目の完走――。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)


☆3 バルテリ・ボッタス
 土曜からセットアップを変更、リヤの挙動を安定させることに重点を置いた。後ろがぶれると修正操作のたびにフロントをこじる動きにおちいる。すると前後タイヤの発熱バランスが乱れ、リバース・ステア症状(オーバー←→アンダー)に苦しむことになる。


 大苦戦するルイス・ハミルトンに対し自己修正を試み予選3位、ライコネンに1000分の2秒差。表彰台に届かない4位も内容では初めてチームメイトに大勝したと言える。


☆4 カルロス・サインツjr、
 ハンドリングもPUドライバビリティも意のまま、ステアリング修正も少ないトロロッソ。魔法のセッティングを見つけたのだろうか。とくにセクター1、高速マスネ・コーナーに自信を持って切り込んでいた。

カルロス・サインツjr、(トロロッソ)
カルロス・サインツjr、(トロロッソ)


 ここに合わせると海沿いセクター3で俊敏性に欠ける場合があるがそれも見られなかった。モナコ自己ベスト6位、ハミルトンを完封――。


☆4 ダニエル・リカルド
 38周目ピットストップ前後のペースが秀逸、一気にボッタスとフェルスタッペンを抜く展開に。昨年の鬱憤を晴らすかのように完璧なプッシュ・ラップを持続。66周目に1コーナーでアウト側ガードレールをヒット、マシン姿勢を平行に保てたからダメージをくいとめられた。


 ほんの僅かでもタイヤに角度がついていたらホイールを破損、スロー・パンクになるピンチだった。究極の“モナコ・コントロール”、動体視力のなせる技。


☆4 セバスチャン・ベッテル
 マーク・ウエーバーとのレッドブル時代を思い出させるような、したたかにPPのチームメイトを逆転するファイターぶりだった。明暗を分けたピット戦略がレース後に話題になったが、勝負どころでやるべきことをやったポイントリーダー。


 ライバルが不調に陥った時こそ必勝モードにスイッチ・オン、25点のアドバンテージは今後の戦いに大きな意味をもつ。

セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)


☆5 キミ・ライコネン
 敗れて悔い大いにあり、氷の微笑さえ浮かべなかったライコネン。絶対有利とされるPPにも、何かを暗示するかのように「明日はそうとも言えない」とつぶやいた。12年ぶりにモナコ最速レコードで決めたPPアタックは完全主義者らしいパフォーマンス。



(Jun Imamiya)




レース

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ドライバーズランキング

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1位マックス・フェルスタッペン110
2位セルジオ・ペレス85
3位シャルル・ルクレール76
4位カルロス・サインツ69
5位ランド・ノリス58
6位オスカー・ピアストリ38
7位ジョージ・ラッセル33
8位フェルナンド・アロンソ31
9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※中国GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング195
2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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