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【F1シンガポールGPの焦点】2位の“苦さ”を味わったルクレール。矛盾の残るビノット代表の説明

2019年9月24日

 土曜日の予選、Q3最後のアタックではターン3出口、そしてターン11出口でコントロールを失いそうになった。それでもセクター1はファステスト、セクター2、3でも自己ベストの区間タイムを記録した。マシンの動きが乱れた際に最小限のタイムロスで取り戻す能力こそ、ルクレールの生来の才能を鮮やかに示すものだ。それによって、シンガポールで最も要となるグリッドポジションを獲得した。

 レースでのフェラーリの作戦は、後続の隊列がスペースを空けずについて来るよう、第1スティントのペースを抑えて走るというものだった。ライバルがアンダーカットを試みようとしてもピットアウト後にクリーンエアで走れるスペースがない状態を作る──。もともと13年のモナコGPでメルセデスが編み出した作戦は、トラックポジションが最優先事項となるオーバーテイクの難しいコースで、とりわけロングランペースに不安がある場合に有効になる。ルクレールが序盤の14周で指示されていたペースは1分49秒5。昨年優勝したハミルトンの序盤のペースより3秒以上遅い。

 ルクレールがペースアップを指示されたのは15周目あたりのこと。ドライバーにとって“ピットインが近い”ことを示すサインだ。16周目には2番手ハミルトンとの間隔は1.8秒まで広がり、後方ではランス・ストロールとロマン・グロージャンの間に10秒のスペースができていた──。アンダーカットが有効なことを承知でフェラーリがこの作戦を組んでいたのなら、理想は先に動いて17周目にルクレールをピットインさせることだった。

XPB Images

 しかし、ペースアップしたルクレールに対してハミルトンが容易に反応したことが、おそらくフェラーリを躊躇させたのだろう。ハードを一度も試していないフェラーリはウォームアップ性能を把握できておらず“首位を走っているのだからトラックポジションを守る”選択をした。その間にルクレールのタイヤは性能を失い、1-2番手の間隔は15周目以前の状態に戻ってしまった。

 一方で、3番手を走行していたベッテルの後ろではマックス・フェルスタッペンがグリップを失ったことを訴え、レッドブルがタイヤ交換の準備を始めた。その様子を目にしたフェラーリがレッドブルのアンダーカットを防ぐためベッテルにピットインの指示を出したのは、19周目のターン20。ベッテルはフェルスタッペンから身を守ることに成功した。フェラーリはファーストカーを危険な状態に置いたまま、セカンドカーを先にピットインさせるという矛盾をおかしてしまったのだ。

 ハミルトンを抑えることに集中していたルクレールは、ベッテルがピットインしたことも知らされずにいた。ペースアップして以来、ピットインを待たされた状態で走り続けたまま、20周目の半ばまできたところでようやく「Box」の指示を確認したが、すでに性能を失ったタイヤでコーナーしかないセクター3を攻めることには限界があった。ピットアウトした時には、思いがけず、チームメイトが目の前を走っていた。

 レース中、とりわけセーフティカー出動時にルクレールがチームに疑問を投げる様子には賛否があるかもしれない。しかし@コース上で前を行く“ファーストカー”、あるいは作戦違いで後ろに回っていても明らかにペースが速いマシンに有利な作戦が採用される原則はフェラーリとて例外ではない。ルクレールが理解できないのは当然なのだ。A必要と思うことがあれば心に溜めず即座にチームに伝えるのはルクレールのやり方。これは彼自身がミスした際に即「僕のミスだ」と伝える時も同じだ。そしてすべては、1年で最も苛酷なレースを戦うなかでのことだった。

 マッティア・ビノット代表は、フェルスタッペンのピットインを察知した時にはベッテルを守るためにぎりぎりのタイミングでピットインさせるしかなかったと言う。その説明は正直だとしても、2.5秒前方の“ハミルトンをアンダーカットするため”という説明と、ルクレールを上回ってしまったベッテルの“アンダーカットがこれほど有効だとは思わなかった”という説明には矛盾がある。





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