【レースの焦点】冴え渡るレース勘と見事なタイヤ管理能力、使命を果たしたガスリーが歓喜の6位入賞!
2018年8月1日
ポジション的には6番手を維持。しかし、7番手スタートのフェルスタッペンに先行を許しながら、5番手スタートのサインツJr.を抑えたターン1〜3の攻防は、トップチームと“Bリーグ”の境界線に身を置いたガスリーの、冴えたレース勘を示すものだった。
そこからはどんどん前方との間隔が開いていくレース。でも、それは胸が躍るような“自分の”レースでもあった。フェルスタッペンがトラブルでリタイアし、キミ・ライコネンやバルテリ・ボッタスの早いピットインによって16周目には3番手までポジションを上げても、ボッタス、ライコネン、12番スタートから追い上げてきたダニエル・リカルドには抵抗することなく譲った──。第1スティントでガスリーのラップタイムが乱れているのは、正確に、ターン1でこの3台に抜かれた周回。抵抗することに時間を費やしたのではなく、速いマシンに譲った後、タイヤを守るために間隔を開けている様子が分かる。
ガスリーの“勝因”は、すべての周回をクリーンな状態で走ったことだ。見事なタイヤ管理能力は、ウルトラソフトの第1スティントを誰よりも長い32周までステイアウトしたこと、ポジションを確定した後の第2スティントではソフトで驚くほど安定した速さを維持しつつ終盤にはペースアップしたラップタイムに表れる。1分22秒前後でびくともしない終盤10周のラップタイムは、タイヤ的に同じ作戦のケビン・マグヌッセンが間隔を詰めてきても、ガスリーにとって脅威とはならなかった所以だ。
トラックポジション重視を余儀なくされるハンガロリンク。ガスリーの後方、複雑な混戦の中団グループで重要なのは、第1スティントを“どんなペースで何ラップ走れるか”、自らが置かれたポジションによって、ラップタイムと周回数の最高の妥協点を見出すことだった。ライバルたちを驚かせたマクラーレンの“長い第1スティント”、オーバーカット成功の理由は、フェルナンド・アロンソのラップタイムに顕著に表れる──。ほぼ毎ラップ、とりわけライバルのピットインなど重要な局面では必ずグリーンの“自己ベスト”を記録できるタイヤ管理だった。
39周の第1スティント終盤、エンジニアがアロンソに伝える。
──(エステバン)オコンがピットインした4台を全部、抑えている。このペースを維持できれば、このレースは僕らのものだ。あと何周、走れる?
「予想するのは難しいけど、4〜5周かな。でもオコンよりペースが速いかぎり、大丈夫じゃない?」
──大丈夫。僕らはオコンより速い。
39周目にピットインしたアロンソは、サインツJr.のはるか前方、8番手でコースに戻った。ロマン・グロージャン、ニコ・ヒュルケンベルグ、ブレンドン・ハートレーとあわせて4台をピット作戦で抜き去ることに成功した。
アロンソが望んでいるのは、不振のなかでも、チームがこんなふうに明確にコンペティティブな思考を示すことだ。
「ありがとう。素晴らしい作戦だった」と、ゴールの後アロンソが伝える。
「ストフェル(バンドーン)も同じ成績が可能だったのに、本当に残念だった。みんなもそれに値する仕事をしたのに。そうすれば完璧だったのに──でも、いい日曜だった」
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 136 |
2位 | セルジオ・ペレス | 103 |
3位 | シャルル・ルクレール | 98 |
4位 | ランド・ノリス | 83 |
5位 | カルロス・サインツ | 83 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 41 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 37 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 27 |
10位 | 角田裕毅 | 14 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 187 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 124 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 64 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 42 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 19 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |
第10戦 | スペインGP | 6/23 |