ただし、ベアリングが固着して水漏れが起きたというのはあくまで症状。なぜベアリングが固着したのかについては、まだ原因は解明されていない。考えられるひとつの要因は、マイレージである。じつはこの日もホンダ以外のパワーユニットにもトラブルが起きている。

「今回が3レース目でアロンソのパワーユニットは1300kmに達していた。もちろん、ベンチでは4000kmとか5000kmは走っています。ただテストも含めて、実走としてこれだけの距離を走ったのは今シーズン初めて。実走できていないので、3戦目、4戦目になると、どこが壊れても不思議ではないということ。所詮、その程度の信頼性だったと言われても仕方ありません」

　壊れたのはターボだけ。「それ以外は、一度バラしてまた使います」という長谷川総責任者だが、日曜日のレースに向けては「いまからターボだけ乗せ変えるのは時間がないので、パッケージごとすべて新しいコンポーネントに交換する」予定だ。

　ただし、新しいターボを投入するといっても、スペックとしては土曜日に壊れたものと同じ。不安が解消されたわけではない。マクラーレン・ホンダにとって、眠れない夜は続く。

（Text : Masahiro Owari）

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