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【レースの焦点】セクター3を攻略し、ハミルトンを打ち破った“寡黙な努力家”ボッタス/F1アブダビGP

2017年11月28日

 初開催の2009年から“何もないところに新しく建設するのに、なぜこんなレイアウトを”と言われてきたヤス・マリーナである。ターン5〜6はドライバーにとってまったく無駄なのに、ターン7のヘアピンに大きな観客スタンドを建設したおかげで広いエスケープが取れず、手前で不自然に減速させるシケイン状のレイアウトを使わざるを得ない。

 セクター3は低速でラインが1本しかなく、なす術がない……云々。ターン8〜9は事実上シケイン(新設コースなのに)。それも微妙な位置で、DRSが導入された11年には予選後にDRS作動区間が手前に延長されたほど。そもそも、左周りのコースで右側にピットを作り、わざわざトンネルを通してコースに合流させる──観客からは見えないし、クラッシュしたらレースが大混乱になる──手法の意味が不明だ。

 ドライバーにとって楽しくないうえに、14年以降はパワーとトルクを備えたメルセデスの独壇場である。

 そんなサーキットで17年のマシンが走る。タイトルが決まった後の最終戦。外から見れば面白くない要素が多く、実際、レースも単調なものになった。

Sutton Images

 ただ、だからこそ、この1戦に全力を注いだドライバーが輝きを見せた。それは派手さとは無縁の、彼らひとりひとり、あるいはひとつひとつのチームが噛みしめるものであったかもしれないけれど。

 バルテリ・ボッタスにとって、アブダビGPの1勝は初優勝以上の重みがあった。

 ロシアGPでは、バーレーンテストの収穫を活かし、ルイス・ハミルトンを圧倒して初優勝を飾ったボッタス。しかし、メルセデスがシーズン序盤の問題を改善していくにしたがって、戸惑うことが多くなった。

 単純にマシンがハミルトン寄りに開発されたということではなく、マシンの改良と、現場でのセットアップを仕上げていくというチームのメソッドがボッタスにとっては新しい挑戦であったからだ。

 ハミルトンが好調の波に乗った夏休み以降、マシンは良くなっているはずなのに、彼は自らも認めるようなスランプに陥ってしまった。解決方法は唯一、メルセデスの開発方向にうまく自分のスタイルをシンクロさせること。寡黙な努力家は、その解決法を探って何度も小さな試行錯誤を繰り返したに違いない。そして徐々に、速さを取り戻していた。

 ほんの少しの気持ちの持ちようで、こんなに違う──。最強のメルセデスを手にしたふたりだからこそ、アブダビではボッタスの“勝ちたい”気持ちがハミルトンを破った。

「タイトルを争うシーズン中ほど、100%で走れているとは言えない」と、ハミルトンはレース後に認めた。それくらい、タイトル争いは集中力も精神力も消耗させるものなのだ。

 ニコ・ロズベルグがそうであったように、ボッタスもまた、チームメイトのそんな変化に気づいていたに違いない。ブラジルGPの予選では、ハミルトンのクラッシュによって戦う相手を失い、レースでは、スタート直後のリスクを避けようとするあまりセバスチャン・ベッテルに先行を許してしまったけれど──。

 ボッタスにとって何より幸いだったのは、アブダビGPが予選からレースまで、ハミルトンとの1対1の対決だったことだ。





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