F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

マクラーレン・ホンダ密着:貴重な時間を奪ったトラブル原因と、疑問の残るブーリエの会見

2017年2月28日

 テスト初日の午前9時5分。ライバルたちの出走よりやや遅れて、フェルナンド・アロンソがステアリングを握るマクラーレンMCL32がコースイン。1周のチェック走行を終えて戻ってきたが、その後は本格的な周回を始める気配がない。


目隠しのつい立て越しにエンジンカウルを外す作業が垣間見え、早くもトラブルに見舞われたことがわかった。しばらくして、マクラーレンからは「オイルシステムの不具合」という説明があった。昼過ぎになっても、アロンソ車はガレージ内にとどまったまま。


 午後3時過ぎから始まったチームのレーシング・ディレクター、エリック・ブーリエの定例会見では、このトラブルに質問が集中した。「オイルシステムの問題だ。何が起きているのか、ホンダに確認しているところだ」ブーリエは困惑と不機嫌が入り交じったような憮然とした表情で、同様の答えを繰り返した。


 会見終了後、ホンダの長谷川祐介総責任者に話を聴く機会を得た。テスト開始早々のトラブル発生に長谷川総責任者の表情も当然明るいものではなかったが、原因については極めて明確に語ってくれた。


「オイルタンクの形状、より具体的にはタンク内のバッフル(オイルが偏らないようにする板状のパーツ)の配置がうまくなくて、走行中にGがかかった時にうまくオイルが吸えなかった。それで油圧が落ちてしまいました」


 不具合はすでに前日のフィルミングデーでわかっていたという。ある程度の対策は施したが、時間的に完全なものではなく、トラブル発生はある程度覚悟していたということだった。


「決して深刻な問題ではありません。ただ届きにくい場所にあり、修理のためにはエンジンを切り離さないといけない。新車に新パワーユニットの組み合わせなので、通常なら2時間程度で住む交換作業が、かなり長くかかってしまいました」


 パワーユニットごと交換を終え、午後4時過ぎにテストを再開してからは、順調に走行を続けることができた。とはいえ7時間もロスしたツケは大きく、アロンソはわずか29周の周回で10番手タイムに終わった。


 それにしても今回のトラブルを巡っては、マクラーレン側の対応に大いに疑問を感じた。実走テストでいきなりトラブルを出したことは、確かにホンダに非がある。

ブーリエの会見での発言は疑問の残るものだった
ブーリエの会見での発言は疑問の残るものだった


 しかし、ブーリエが会見した時点では、すでに原因と対策の見通しは把握していたはずである。ところが彼はその情報を積極的に開示せず、そのためヨーロッパのメディアはいまだに、パワーユニット本体に由来する深刻なトラブルと捉えている。


 事態は翌日になっても改善されていないようで、「パワーユニットの根本的な問題である可能性がある」という報道が散見された。ブーリエはともすれば、ホンダ批判を放置する傾向がある。マクラーレンに任せるだけでなく、ホンダがより積極的に情報発信する必要があるのではないだろうか。



(Kunio Shibata)




レース

5/4(土) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
5/5(日) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
5/6(月) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※マイアミGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン136
2位セルジオ・ペレス103
3位シャルル・ルクレール98
4位ランド・ノリス83
5位カルロス・サインツ83
6位オスカー・ピアストリ41
7位ジョージ・ラッセル37
8位フェルナンド・アロンソ33
9位ルイス・ハミルトン27
10位角田裕毅14

チームランキング

※マイアミGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング239
2位スクーデリア・フェラーリ187
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム124
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム64
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム42
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム19
7位マネーグラム・ハースF1チーム7
8位BWTアルピーヌF1チーム1
9位ウイリアムズ・レーシング0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第6戦マイアミGP 5/5
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
第10戦スペインGP 6/23
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.4 第4戦日本GP