【レースの焦点】果てしないサバイバル戦を制したリカルドとエンジニアの底力/F1第6戦モナコGP
2018年5月29日
2戦連続の落胆の後、モナコではレース後のミーティングに参加せず自宅に帰ったとリカルドが打ち明けたのは、4カ月以上後の東京でのことだった。
「チームとは対話したくなかったし、とにかくその場から離れたかったんだ。それはいい判断だったと思う。僕はものすごく怒りを感じていたし、落胆もしていた。チームも同じようにがっかりしていると分かっていたから、誰もハッピーじゃない状態だ。そのなかに僕が入っていったら──もちろん僕はフラストレーションを表に出しただろうし、お互いをさらに疲弊させるだけだっただろう。何も生産的なことはないと考えたんだ」
チームと話したのは2日ほど後のことだった。
「チームは僕に謝罪し、僕も『苦しいけれど、こういうことも起こるよね』と答えていた。2戦連続で勝利を逃したぶん、呑み込むのは僕の方が少し難しかったと思う。でも、みんなの顔に悲痛な思いが表れているのを見た時、自分だけが痛みを感じているんじゃないと理解したんだ。大切なのは、そこから前進してポジティブなアプローチに切り換えることだった。ミスを引きずって考え込むのは、チームにとって決して健全なことではなかったから」
2年後のモナコ。リカルドはフリー走行と予選のすべてのセッションでトップタイムを記録した。他チームが手を焼いたハイパーソフトのロングランでも、レッドブルでは性能低下が見られなかった。ポールポジションを獲得した段階で、任務は50%完了。レースのスタートを決めた後は、すべてがコントロール下に置かれたはずだった。
「パワーを失った──」
いつも通り落ち着いた声。しかし悲痛な響きを湛えた無線がピットに届いたのは28周目のこと。エンジニアのサイモン・レニーが「とにかく集中して」と答える。
そこから、栄光のサバイバル戦が始まった。
「何が起こっているか、僕らにも分かっている。スムーズに走ることだけを心掛けて」とレニーが言う。ルノーのパワーユニットはMGU-Kが完全にその働きを止めていた。回生エネルギーがまったく使えないため、パワーは通常より160馬力も低い。MGU-Kの力が最大限に発揮されるべき加速区間で、赤く点滅するテールランプが厳しい現実を物語っていた。
「改善する可能性は?」とたずねるリカルドに、はっきり「ネガティブ(No)」と答えなければならないレニーは、そしてその返答を聞いたリカルドは、窮地に陥った戦友だった。
「何か工夫できることがあったら教えて。たとえばシフトとか」とリカルドがたずねる。
「インジケーターのライトどおりにシフトして」とレニーが答える。ショートシフトせず、V6ターボの力を最大限まで使い切って加速するしかないのだ。
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※マイアミGP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 136 |
2位 | セルジオ・ペレス | 103 |
3位 | シャルル・ルクレール | 98 |
4位 | ランド・ノリス | 83 |
5位 | カルロス・サインツ | 83 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 41 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 37 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 27 |
10位 | 角田裕毅 | 14 |
※マイアミGP終了時点
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 187 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 124 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 64 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 42 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 19 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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