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scope:「公平なペナルティ」に近づくために

2016年5月10日

 同じレースで、アロンソも意味不明のドライブスルーを科せられた。フェリペ・ナッセに追突された結果パストール・マルドナドと接触したのに、全責任はアロンソにあるというペナルティだった。2010年のバレンシアで、マーク・ウェーバーが宙に舞った大事故の直後、セーフティカーとメディカルカーを堂々と追い越していったハミルトンに実質上のペナルティがなかった事態に際しても、自宅で見ていたワーウィックさんは「ルイスにメディカルカーが見えなかったのは理解できる」と発言したのだから、これはもう、愛すべき“英国紳士”だ。ただし、愛国心に左右されるドライバーはたまらない。

 レース中のペナルティは展開を大きく左右する一方で、その理由についてはひとことしか説明されない。FIAが配布する「スチュワード決定」にも、テレビ映像に出る文字情報以上のことは、あまり説明されていない。しかし1980年F1王者のアラン・ジョーンズがドライバースチュワードを務めた中国GPは違った。4周目のセーフティカー出動時には多くのマシンが同時にピットインして状況が混乱したが「危険なリリース」をおかしたフォース・インディアに対して5000ユーロの罰金を科す一方で、セルジオ・ペレスのレースに影響するペナルティはなかった。理由は「ドライバーは接触を回避すべく適切に行動した。アドバンテージも得ていない」。

 スチュワード判断が常にこれほど正確で、明確なものであったら、ドライバーはどんなに清々しい気持ちで思いきりレースできることだろう、と思う。すべてを「レース後の審議」に持ち込まずに裁定できるのは、チャンピオンの明晰な判断があってこそ、なのだ。

2016年F1中国GPでスチュワードを務めたアラン・ジョーンズ

XPB Images


 利権を握ったFOMの力が強く、FIAとしてもレース後の順位変動は避けたいとしよう。その場合、レース中の判断を正当なものにするには、ドライバースチュワードのシステムを、より機能させることが必要だ。そのためには現役時代に多くの仲間からリスペクトを得たチャンピオン、あるいは不遇な体制ゆえに成績が残っていなくともフェアであることによって愛されたドライバーに、その任を負ってもらうのが最善の方法──しかしFIAの悩みは、引き受け手が限られていることにある。F1経験が豊富なドライバーは、多くが引退後テレビ解説などレギュラーの仕事を持っていて、FIAの要請に応えることができないのだ。

 ドライバースチュワードの地位を高め、偉大な先輩たちを然るべき待遇で迎え、年間をとおして2〜3人に固定することがスチュワード判断を一貫したものにする方法かもしれない。

(今宮雅子/Text:Masako Imamiya)





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