【レースの焦点】無数の罠が仕掛けられたアゼルバイジャンGP、危険な“引き金”を引いたフェルスタッペン
2018年5月2日
事態を収束させるためレッドブルはふたりに同等の責任があるとし、スチュワードはドライバーの反省の言葉を受けて処分を“戒告”に留めたが、危険な引き金を引いたのがフェルスタッペンであることは明らかだ──。
真後ろにマシンがいることが分かっていて、複数の進路変更は340km/hでやることではない。それが許されるなら、ここではレースが成立しない。オーバルレースのように、ドライバーはライバルの生命にも責任を負うコースなのだ。だから、フェルスタッペンの動きにはインディシリーズのドライバーからも批判が集まる。
同様に、最後のリスタートでガスリーをウォールに押し付けようとしたマグヌッセンの行為も、結果に影響のない“10秒ペナルティ”で済まされるべきではなかった。FOMが公開した2台のオンボード映像を見れば、ガスリーの怒りは十分に理解できる。そしてこの接触による破片は、バルテリ・ボッタスの不幸なタイヤバーストの原因にもなった。
ガスリーにとっては、この週末2度目の危険なシーンだった。
予選Q1、パンクチャ―に見舞われたブレンドン・ハートレーがコースの真ん中でスロー走行していた際、クラッシュを回避したのはガスリーの“命懸け”のテクニックだ。チームがハートレーにチームメイトの接近を伝えるべき云々という問題ではなく、他チームの誰が来ても危険が及ばないよう、通常のラインから大きく離れて走行するのがドライバーの義務だ。
「レーシングドライバーなら、何が起こっても、どんな状況でも、たとえ大丈夫だと思っても、後方への注意は絶対に怠ってはならない」というのは、ジャック・ラフィット氏がいつか口にした格言。
最小限のダウンフォース、作動領域の狭いタイヤ、逃げ場のない狭いコース、340km/hを超えるスピード。そしてドライバーの闘争本能。すべてが共存できる策を見出さないかぎり、アゼルバイジャンは危険なグランプリだ。
誰もが一度ならずミスをおかしたサバイバルレース。シャルル・ルクレールはすべての罠を見事に回避しただけでなく、キミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソという超一流の先輩たちを相手に堂々とバトルを繰り広げた。6位入賞は、勝利にも匹敵する殊勲。
Sutton Images
嵐のようなレースで、新しい星のきらめきがいっそう際立った。ファンの気持ちもドライバーと同じ「Yes!」。デビュー4戦目でドライバー・オブ・ザ・デイに輝いた。
(Masako Imamiya)
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予選 | 23:00〜 | |
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※マイアミGP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 136 |
2位 | セルジオ・ペレス | 103 |
3位 | シャルル・ルクレール | 98 |
4位 | ランド・ノリス | 83 |
5位 | カルロス・サインツ | 83 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 41 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 37 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 27 |
10位 | 角田裕毅 | 14 |
※マイアミGP終了時点
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 187 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 124 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 64 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 42 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 19 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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