【レースの焦点】完璧なアタックで土曜日の“栄光”を手に入れたハミルトン、今のフェラーリに必要なのは「地に足をつけて戦うこと」/F1第16戦日本GP
2017年10月10日
52周目にはレッドブルが初めてメルセデスの後方1秒以内まで迫り、レースは一気に活気づいたが……アタックできたのは終盤であったからこそ。逆転劇は起こらなかった。
2位に終わったレースに悔いはないと、フェルスタッペンは潔く言い切った。
「周回遅れのおかげでルイスに接近できても、彼が前に出てクリーンな空気を取り戻すと追いつくことはできなかった。周回遅れが僕の助けにならなかったことは事実だけど、だからといって結果に影響はなかったよ」
表彰台の3人は連戦の疲れを吹き飛ばす笑顔──。「鈴鹿の表彰台」を目標と言い切っていたダニエル・リカルドは、チームメイトに敗れても底抜けに陽気にふたりのライバルを祝福した。リカルドにはリカルドの“鈴鹿の歴史”があり、そこで抱えた葛藤を克服したレースだったのだ。
集まったファンも、最大限の歓声や拍手やチアホンでドライバーを祝福した。トラブル続きのフェラーリではセバスチャン・ベッテルのマシンにスタート前から問題が発生し、キミ・ライコネンが孤軍奮闘することになってしまったけれど……サーキットに集まれば、ドライバー全員が主役。何位を走行していても頑張る様子が平等に“視界”という壮大なスクリーンに映し出される。だから自然に拍手が沸く。キミのオーバーテイクもテレビで見るよりずっと爽快。
XPB Images
ただし、選手権ポイントという数字で見ればフェラーリがさらに窮地に立たされたことは事実で、彼らの歯車が狂ってしまったことは否めない。ベッテルが繰り返すように、そしてハミルトンも認めるとおり、フェラーリのマシンが失速したわけではなく、信頼性の問題も根本的な欠陥によるものではなく──チームが浮足立ってグリップを失ってしまっているのだ。
跳ね馬の情熱は両刃の剣。最後の4戦に向けてもう一度、地に足をつければ、それは必ず力になる。それが“できる”と証明することが、今のフェラーリには何よりも大切だ。誰よりも自分たちにとって。そして今シーズン以上に、来シーズンに向けて。
(Masako Imamiya)
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※マイアミGP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 136 |
2位 | セルジオ・ペレス | 103 |
3位 | シャルル・ルクレール | 98 |
4位 | ランド・ノリス | 83 |
5位 | カルロス・サインツ | 83 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 41 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 37 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 27 |
10位 | 角田裕毅 | 14 |
※マイアミGP終了時点
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 187 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 124 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 64 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 42 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 19 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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