そして──8-10位スタートからし、トップから大きく引き離されながらも堅実に走って4-5位入賞を果たしたフォース・インディアは、22ポイント（！）という大量得点獲得に成功した。

XPB Images

「困難な週末だっただけに、本当に嬉しい！」と、セルジオ・ペレスがピットに感謝を伝える。エステバン・オコンにとっても、5位はもちろんベストリザルト。

　予算も人員数もトップチームの半分に満たないフォース・インディアは、マシン性能やエンジンパワーだけで常にトップ3に続ける位置にはいない。それでも開幕以来、ふたりそろって全グランプリでポイントを獲得してきたチームは、バルセロナの難しいコンディションのなかでも一丸となって真摯に仕事を続け、自分たちのベストを引き出した。そんなチームをドライバーたちは100％信頼し、チームはドライバーに最高の敬意を払う。ペレスの成長ぶりが、彼らの素晴らしい関係を証明している。

　ここ数年の力強い歩みを、松崎淳エンジニアは「うまくいかなかった時だけではなく、うまくいった時にも徹底的に分析することによって、方向性を見失うことがなくなった」と表現する。レース結果が好調でも、その理由が分からない時ほどエンジニアのフラストレーションは大きくなるのだとも──。

　シーズンベストの成績を受けて、ハードワークがさらに加速することは間違いない。多くの日本人エンジニアが活躍するチームは、日本のファンにとっても楽しみな存在。ソフトピンクのカラーリングも、日本のファンは決して嫌いじゃない。

（Text：Masako Imamiya）

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