【F1第15戦無線レビュー(1)】炎上するマシンに動揺するルクレール「なんてこった。神様、お願いだ」
2020年12月3日
 2020年F1第15戦バーレーンGP決勝レースは、スタートから大クラッシュが発生。幸いにもロマン・グロージャン(ハース)は自力でコクピットを脱出し、最悪の事態は免れることになった。そのときの状況を無線とともに振り返る。
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F1第15戦バーレーンGPは、今シーズン初の日没後に行われるトワイライトレース。スタート前、ガレージからダミーグリッドへ向かうレコノサンスラップで、ダッシュボードの光に反応していたのが、3番手からスタートするマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だった。
フェルスタッペン:どうしてなのかわからないんだけど、ダッシュボードの左上が赤く光っていんだけど。
レッドブル・ホンダ:ちょっと待って……どう、直った?
フェルスタッペン:いや、まだ光っている。 黄色と赤い色が光っている
レッドブル・ホンダ:わかった。確認する
午後5時10分にフォーメーションラップが始まり、その数分後にスタートが切られた第15戦バーレーンGPは、スタート直後にだれもが想像もしていなかった悲惨が事故が発生する。
2コーナーでエステバン・オコン(ルノー)とピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)にサンドウィッチされたランド・ノリス(マクラーレン)はフロントにダメージを負って、たまらず無線を入れる。
ノリス:接触して、フロントウイングにダメージを負って、路面を引きずっている。チェックしてほしい。だれかわからないけど、信じられないような動きで接触してきた
この接触で、直後にいたフェラーリ2台とランス・ストロール(レーシングポイント)が接触し、ストロールがコース外に弾き飛ばされる。ストロールと接触したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)はコース内にとどまったが、3コーナーの立ち上がりでやや失速したため、その後方がさらに混乱を招いていく。
失速したベッテルを左側からオーバーテイクしようとするカルロス・サインツJr.(マクラーレン)。その後方で行き場を失ったキミ・ライコネン(アルファロメオ)はコース左側のランオフエリアへ出て、サインツとベッテルとの追突を回避した。
 しかし、その一方で、ロマン・グロージャン(ハース)はコース右側へ進路を変更。だが、そこにはすでにコース右側を走行していたダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)がおり、グロージャンの右リアタイヤがクビアトの左フロントタイヤと接触し、グロージャンのマシンは飛ばされるような形でコース右側へコースアウト。ガードレールにマシン前方からクラッシュすると、炎に包まれる。
ルクレール:すごいクラッシュだ。*****。とにかく、ひどいクラッシュだ。炎があがっている。だれがクラッシュした?
フェラーリ:グロージャンだ。それ以外はまだ何も情報は入ってきていない
ルクレール:なんてこった****。神様、お願いだ
フェラーリ:赤旗が出たから、ピットレーンでクルマをとめてくれ
ルクレール:まだ情報は入っていないの?
フェラーリ:まだ情報は入ってきていない
その後、グロージャンが自力でコクピットを脱出し、メディカルスタッフに救出された映像が入り、ようやくサーキットが動揺から解放され、落ち着きが戻った。ハースのギュンター・シュタイナー代表がテレビのインタビューに答える。
「彼(グロージャン)はまだ少し動揺しているようだが、大丈夫だ。 これから精密検査を受けることになるだろう。 今回、救出に尽力してくれたすべての人々に感謝したい。彼らは非常に迅速に作業にあたってくれた。最悪の状況だったにもかかわらず、この程度のダメージで済んだのは不幸中の幸いだ」
その後、ピットレーンに戻ってきたメディカルカードライバーのアラン・ファン・デル・メルヴェと会ったシュタイナーは、直接ファン・デル・メルヴェに感謝の言葉を贈った。ファン・デル・メルヴェは救出の様子を次のように振り返った。
「あのようなクラッシュと炎を私はこれまで見たことがない。 ロマンは自分でコクピットから脱出してきた。あのような衝撃の後で、それはかなり驚くべきことだった。FIAが開発したすべてのシステム、ヘイロー、バリア、シートベルト、これらがすべてが正常に機能していたのだろう」
 
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無線レビュー(2)へ続く
(Masahiro Owari)
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| 1位 | ランド・ノリス | 357 | 
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 356 | 
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 321 | 
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 258 | 
| 5位 | シャルル・ルクレール | 210 | 
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 146 | 
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 97 | 
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 | 
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 41 | 
| 10位 | アイザック・ハジャー | 39 | 
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 713 | 
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 356 | 
| 3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 355 | 
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 346 | 
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 | 
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 72 | 
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 69 | 
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 62 | 
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 60 | 
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 | 
| 第19戦 | アメリカGP | 10/19 | 
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 | 
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 | 
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 | 
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 | 


