ヨーロッパGPを前に2005年のドライバーとしてラルフ・シューマッハーを発表するのではと噂されたトヨタF1チームだが、結局そういった発表は行われなかった。
ニュルブルクリンクでのレースは同チームの拠点があるケルンに最も近いグランプリであることもあって、1,500万ポンドともいわれるラルフとの契約が公表されるのではとささやかれたのだが、冨田務チーム代表は、夏ごろまでは発表はないと語る。
「シーズン半ばでの(現ドライバーの)入れ替えに関する噂がいくつかあることは承知している」と冨田氏は語る。「だが我々は現行の両名にとても満足しているし、彼らを替えるつもりもない。あの二人に自信を持っている」
「また来年のドライバーラインナップについて言えば、今はまだ検討中で決定はしていない。他チームも発表する夏ごろには公表できるだろう。(現行の二人は)昨年から2年間の契約であり、つまり今年末に切れる。二人とも来年はオプションになっている」
ラルフ・シューマッハーは、現在の雇い主であるウイリアムズとの関係がぎくしゃくして以来、トヨタへの移籍がささやかれてきた。しかしそのラルフも、ニュルブルクリンクでは多くを語らなかった。
「まだ今のチームと交渉中だし、どうなるかまだ様子見で、結論はそれからになる」と木曜にコメントするラルフ。「F1に残ることは確実だと思うが、どこになるのかはまだ分からない」
2003年シーズンを前にアラン・マクニッシュとミカ・サロを現行の二人に替えたトヨタだが、一度に両ドライバーを替えたのは間違いだったと後に認めている。しかし、いまやオリビエ・パニスは現役ドライバー中最年長となり、チームメイトのクリスチアーノ・ダ・マッタはF1に移ったことに疑問を感じ始めているとも言われ、来季は2席が空く可能性がある。リザーブドライバーのリカルド・ゾンタは金曜のテストセッションで正ドライバーの二人に劣らない走りを見せており、ラルフかあるいは誰か別のドライバーの僚友となるかもしれない。