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ヨーロッパGP決勝直前情報:グリッドよりも直線勝負「風の街」に波乱の予感
2016年6月19日
アゼルバイジャンで行われる初のF1。第8戦ヨーロッパGP公式予選は、ルイス・ハミルトンがクラッシュし、セルジオ・ペレスが2番手を獲得した。しかし、これはまだ波乱の幕開けにすぎないかもしれない。というのも、今回の予選は各マシンのポテンシャルを正確に反映した結果とはなっていない可能性があるからだ。
予選で使用されたスーパーソフトは、バクー・シティ・サーキットの非常にスムーズな路面に対して、適正な温度に上げるのが難しく、ほとんどのドライバーがウォームアップにアウトラップ+1周を費やしていた。そのためコース上には、アウトラップ(1周目)のドライバーと、ウォームアップ(2周目)しているドライバー、さらにアタックラップ(3周目)をしているドライバーが混在し、いつも以上にクリアラップをとることが難しい状況となっていた。
自己ベストとなる予選2位を獲得したペレスが、ギヤボックス交換で7番手スタートしたり、メルセデスのハミルトンが10番手からスタートすることも、日曜日のレースが激しいレースになることが予想される要因である。
さらに予選で、ひと悶着あったバルテリ・ボッタスとマックス・フェルスタッペンが8番手と9番手というポジションからスタートする。ボッタスは冷静なようで、昨年キミ・ライコネンと2度接触したときのように、レースになると意地でも引き下がらない別の顔に変身することも──。
ピレリのレーシングマネージャー、マリオ・イゾラは「スーパーソフトは20周以上もつため、1ストップ作戦が主流になるだろう」と予測している。つまり、ピットストップで抜くのではなく、コース上でオーバーテイクを積極的にしかける展開となりそうだ。そうなると、決勝ではストレートスピードが速いドライバーが有利。予選で、フィニッシュライン通過速度が最も速かったのはボッタスで、2番手がフェルスタッペン、以下ニコ・ロズベルグ、リオ・ハリアント、ルイス・ハミルトン、エステバン・グティエレス、ペレス、ジェンソン・バトン、ダニール・クビアト、ジョリオン・パーマーまでがフィニッシュライン最高速のトップ10。予選順位と大きく違うことも、レースでの展開を読みづらくしている。
ちなみにイゾラによれば「スーパーソフトは25周ぐらいまでは引っ張れる」とのこと。モナコとカナダでは1回目のピットストップを伸ばす作戦で逆転、優勝したハミルトンが今回どんな戦法でくるのかも楽しみだ。
なお日曜日のスタート時間、現地17時の天気は快晴、気温31度と予想されている。「風の街」という意味の名を持つバクーで、勝利の風を受けるのは誰になるのだろうか。
(Text : Masahiro Owari)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 110 |
2位 | セルジオ・ペレス | 85 |
3位 | シャルル・ルクレール | 76 |
4位 | カルロス・サインツ | 69 |
5位 | ランド・ノリス | 58 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 38 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 33 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 31 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 19 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 195 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 151 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 96 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 52 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 40 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 5 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |
第10戦 | スペインGP | 6/23 |