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今宮純の金曜インプレッション:レッドブル対決は先輩リカルドやや優勢、アロンソQ3の鍵は「セクター3」

2016年5月14日

 ニコ・ロズベルグとメルセデスにとって、特別なレースのはずだ。歴史に刻まれた記録に追いつき、塗りかえたい──そんな空気感ただよう第5戦スペインGP、ヨーロッパラウンド開幕。


 ロズベルグには開幕5連勝、年またぎの8連勝がかかっている。いまの彼なら挑戦できると思う。決して運だけではない実力、速さと強さを前戦ロシアGP「完全試合=グランドスラム」で証明したばかりだ。ミハエル・シューマッハーの2004年7連勝に並んだことを、ジャーナリストみたいにF1史にくわしい彼が意識しないわけはない。父ケケさんのキャリアも、すべてニコは覚えている。


 メルセデス・チームには11連勝がかかっている。1988年を席巻したマクラーレン・ホンダに並ぶことができるのか。史実に残る1952〜53年のフェラーリ“14連勝”という記録はグランプリの時代性からすれば「明治と平成くらい」の違いが横たわる。しかし、いまメルセデスは傑出した大記録に挑む資格を握っている。ちなみに、ここで勝てば区切りのメルセデス50勝、たぶん何かキャンペーンを準備しているはずだ。


 ロズベルグが金曜フリー走行2回目でトップ。1分23秒922は昨年ポールタイムを上回るが、冬の合同テストより1秒以上も遅い。フェラーリのキミ・ライコネンは3月3日に1分22秒765をウルトラソフトで叩き出し、「オフのポールポジション」を決めた。2番手もフェラーリのセバスチャン・ベッテル、3番手にソフトで1分23秒022のロズベルグが続いた。そして、ルイス・ハミルトンは10番手。


 開幕からコース特性は様々でも、今年ハミルトンは自己満足セットアップを仕上げるまでに時間がかかっていた気がする。妥協せずに「最高バランス」を追求する彼は金曜、たびたびオーバーランをやってしまう。そうやってリズムを整えていくのはわかる。だがロズベルグは、満足ゾーンになくてもマシンに合わせこみ、ミスをせずに「最善バランス」で事を進める。「最高」か「最善」。どちらをとるか、方法論の違いをふたりに感じる。


 注目のレッドブル、先輩ダニエル・リカルドvs後輩マックス・フェルスタッペンについて。金曜を見るかぎりでは先輩が「6:4」で、しのいだ。フリー走行1回目は0.169秒差、フリー走行2回目は0.181秒差、それぞれ5位と6位で先行。ただしセクタータイムでは両セッションともに1と2でフェルスタッペンが速く、初乗りマシンで高速〜中速コーナーをたちまち攻め込むセンスを示した。しかし先輩にセクター3で劣り、このエリアでのタイム差がラップタイムに響いた。


 フェルスタッペンはRB12のダイナミック・ダウンフォースに驚き、セクター1と2をいままでより高い全開率でクリアできただろう。だが今季TAGホイヤー(ルノー)パワーユニットのドライバビリティは初体験。セクター3ではオン&オフのタイミングが、やや違った。フェルスタッペンは金曜の夜にデータロガー・シートから学んだに違いない。


 おそらくリカルドには、まだ隠し持っている部分があり、それを予選アタックのときまでとっておく。データ数値に明らかにしないように……突然の移籍騒動から見どころが増えた「レッドブル・バトル」だ。


 スペインGPだからこそ注目のフェルナンド・アロンソ、マクラーレン・ホンダ初のQ3進出なるか。金曜のスタンドに観客は少なかったが、初日7位は喜ばしいこと。いつものようにウイリアムズ勢が鳴りを潜め11位バルテリ・ボッタス、16位フェリペ・マッサ。フォース・インディア勢が9位セルジオ・ペレス、10位ニコ・ヒュルケンベルグ。この2チームを下さねば、アロンソのQ3進出はない。勝負ポイントはセクター3になりそうだ。MP4-31にはクイックターン性を、ホンダRA616Hにはドライバビリティを、あとはアロンソになんとかしてもらおう。



(Text : Jun Imamiya)




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