11月23日（日）、静岡県の富士スピードウェイで、毎年恒例となったトヨタ モータースポーツ フェスティバル 2009 （TMSF）が開催された。
　午前中は時折小雨の降るあいにくの天候となったが、寒さを吹き飛ばすモータースポーツファンの熱気が届いたのか、心配された本格的な雨にはならず、午後には、一時太陽も顔を出すまでに天候は回復。富士スピードウェイに集まった２万８千人のファンがモータースポーツの魅力を満喫した。

　トヨタ・モータースポーツを担うトップドライバーが勢揃いしてのウェルカムセレモニーのあとは、８年間に渡って活躍したトヨタＦ１カーのスペシャルラン。TDPドライバーとして初のF1レギュラードライバーとなった中嶋一貴と、最終戦アブダビＧＰでの活躍も記憶に新しい、TDPドライバー小林可夢偉の２名によるトヨタＦ１カーでのランデブー走行を披露した。

　今年のTMSFのテーマは「トヨタのモータースポーツ大運動会」。来場したモータースポーツファンが参加できるアトラクションを数多く用意。コース上では、トップドライバーやチームによる、障害物競走やピット競争、ドリフトパーキング選手権、異なるカテゴリーのレースカーによるリレーなど、普段は見られない競技でファンを楽しませた。

　その他、毎年好評な、ドリフトカーによる「ドリフトエクストリーム」、サーキットタクシー（トップドライバーとの同乗走行）やサーキットサファリ（バス乗車でのレースカートの混走サーキット体験）、そして今シーズン全てのタイトルを制覇したSUPER GTのレースカーによるスーパーバトルなど、盛り沢山の内容を実施。

　最後は、トヨタＦ１カーのデモ走行“トヨタＦ１カー・ファイナルラン”。５年あまりにわたってトヨタで活躍、チームに初表彰台や初ポールポジションをもたらしたヤルノ・トゥルーリが小林可夢偉と共に登場。２台のトヨタＦ１カーが快音を響かせ富士スピードウェイを疾走した後は、ホームストレート上で“ドーナツ・ターン”を披露し、観客の興奮は最高潮に。
　最後のインタビューでは、３人のドライバーの名前をスタンド全体でコールし、日本国旗とイタリア国旗をグランドスタンドに人文字で表すなど、感動的な“ファイナルラン”となり、イベントはフィナーレを迎えた。

ドライバー　ヤルノ・トゥルーリ：
「非常に多くのファンが集まってくれて、本当に嬉しい。ずっと応援してくれた全ての人々に、本当に感謝している。日本のチーム、トヨタに長期間にわたって加わっていたというのは非常に素晴らしい経験だった。今回の走行は、トヨタＦ１カーでの思い出に残るラストランとなった」

TDPドライバー　小林可夢偉：
「14歳でFTRS（フォーミュラトヨタ・レーシング・スクール）に入って以来、常にF1という目標を目指して来た僕が、ラストランを担当するというのは複雑な気持ちだが、光栄にも感じる。ヤルノと僕との２人が、最後のアブダビＧＰでしっかりダブルポイントを取って終えることができたのは、本当に良かったと思う。来季については、ＴＭＧの方々が一生懸命、他のＦ１チームと交渉してくれているので、ドライバーとしての準備を怠らずに待ちたい」

TDPドライバー　中嶋一貴：
「寒い中で多くのファンが最後まで見てくれて、素晴らしいイベントだった。初めてトヨタＦ１カーに乗ることになり、僕自身、非常に興味深い体験ができ、その他の競技も大変楽しめた。来年のことは、まだはっきり言えることは何もないが、精一杯、前向きに頑張って、来年もＦ１でレースができるように頑張っていくので、応援して欲しい」

トヨタ自動車（株）専務取締役　山科忠：
「今年のＴＭＳＦは『トヨタのモータースポーツ大運動会』というテーマで、たくさんのお客様に参加して頂くアトラクションを用意した。トヨタＦ１カーファイナルランとなった今年のTMSFは、天候が心配されたが、午後は太陽も顔を出し、皆様には楽しんで頂けたと思う。これまで８年間にわたりパナソニック・トヨタ・レーシングを応援して頂いた多くのファンの皆さんを始め、大変多くの方々に支えて頂いたことに対して、心からのお礼を申し上げたい。SUPER GTなどのレースや、その他のイベントを通じて、これからもトヨタはモータースポーツを通じて、クルマの楽しさや、わくわくするような喜びと感動を、多くの方々に楽しんで頂くような活動に、より力を入れていきたいと思っている」

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