チーム・ザウバー・ペトロナスは、今週末の2003年FIAフォーミュラワン世界選手権第13戦に臨むためハンガリーへ向かう。
ペーター・ザウバーのチームにとって、ここまでの2003年シーズンは苦戦の連続だった。2001年にはコンストラクターズ選手権4位を獲得し、昨年は5位でシーズンを終えながら、今年はわずか9ポイントで9位に沈んでいるのだ。
次の戦いの舞台、ハンガロリンクは、しばしばモンテカルロとも比較される難しいコースのひとつ。ただ、今年はコースレイアウトが変更されて、多少はオーバーテイクのチャンスが増えるだろうと言われている。
ニック・ハイドフェルドにとって、ハンガロリンクはF3000時代に好成績を収めていることもあり、いい思い出の多いコースだ。F1でのベストフィニッシュは2001年の6位。
「1998年にここのF3000レースで勝ったんだ。モントーヤと彼のマネージャーのデイビッド・シアーズが、ピットレーンで僕に激しく抗議してきたのをよく覚えている。予選中に僕が彼をブロックしたというんだ。その結果、モントーヤは路面の汚れている側のグリッドからスタートすることになり、レース直前には彼のメカニックがグリッドの前の路面をていねいに掃除していたよ。それを見た僕のエンジニアのデイビッド・ブラウンは、ウチのメカニックのひとりに、彼らのホウキを1本借りて来いと言いつけたんだ!」
「1999年にはハンガリーでF3000のタイトル獲得を決めた。レースが終わった後、僕らはお祝いをするために、ドナウ川の近くにある『リロイ・ビーチ』という名のかなり立派な店へ出かけて行った。ところが、たまたまその日はシルベスター・スタローンがプライベートパーティーをやっていて、店に入れてもらえなかったんだ。結局、僕らはスタローンと彼のボディーガードが帰るまでずっと待たされるハメになった」
「ハンガロリンクはかなり難しいサーキットだ。コーナーの数も多いし、オーバーテイクは不可能に近い。コース改修でその点が多少はよくなったのかどうか、早く実際に見てみたいところだね」
ハインツ−ハラルド・フレンツェンもこの“リンク”が好きだが、それは決してドライブが楽しいからではないという。フレンツェンはここで通算8回のグランプリに出走し、1999年に4位、98年と95年に5位、2000年に6位を記録している。
「ハンガロリンクは94年から知っている。その間、ここのレースに出なかったのは2002年だけだ」とグランプリ通算153戦出場のベテラン、ハインツ−ハラルドは言う。「ファンの人々から見れば、決して悪いサーキットじゃないよ。オーバーテイクはものすごく難しいけどね。オーバーテイクに関して言えば、世界で一番難しいサーキットかもしれない。とにかく前のドライバーがミスをするのをひたすら待って、その機会を絶対に逃さないようにするしかないんだ」
「モナコよりは楽だけど、かなりタフであることは間違いない。実はここではまだ一度も表彰台に上がっていないんだよ。97年のレースでは優勝の可能性もあったけど、そのとき乗っていたウイリアムズの給油フラップが故障してチャンスを生かせなかった。今のところ僕のベストリザルトは、ジョーダンで99年に記録した4位ということになるね」