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レッドブル・ホンダ分析:初日首位もフェルスタッペンは慎重。ダウンフォースを左右するリヤウイングに注目

2020年8月29日

 2020年F1第7戦ベルギーGPが行われるスパ・フランコルシャンはセッティングが難しいサーキットのひとつである。それは1周が7km以上あり、コーナー数が多いことも関係しているが、それ以上にエンジニアたちを悩ませるのが、セクターによってキャラクターが異なるからだ。


 前戦スペインGPの土曜日の『レッドブル・ホンダ分析』でも説明しているように、F1にはコースの特性に合わせて、大きく分けて5種類の空力パッケージ(主にリヤウイング)がある。低速側から、『スペシャルハイダウンフォース仕様』→『一般的なハイダウンフォース仕様』→『ミディアムハイダウンフォース仕様』→『ミディアムダウンフォース仕様』→『ローダウンフォース仕様』となる。


 これは、平均速度×最高速を元に各チームがそれぞれ決めている(データ1)。


【データ1】フェルスタッペンの自己ベストタイム(フリー走行2回目)の平均時速×最高速度
■レッドブルリンク
238.362km/h×318.3km


■ハンガロリンク(P2が雨のためP3のデータ)
207.291km/h×305.5km


■シルバーストン
245.353km/h×316.8km


■バルセロナ-カタロニア・サーキット
215.664km/h×317.1km


■スパ・フランコルシャン
243.044km/h×323.5km


 これを見ればわかるように、ハンガロリンクとバルセロナが同じエリアに属し、そのほかの3つ、レッドブルリンク、シルバーストン、スパが同じように見える。


 しかし、今回スパに持ち込んだ仕様はレッドブルリンクとも、シルバーストンとも異なる。それはスパには、ラ・ソースからオー・ルージュ、そしてケメル・ストレートへと続く長い全開区間があるからだ。


 1周だけ、単独で走ることだけを考えれば、スパはセクター2がラップタイムに大きく影響するので、レッドブルリンクやシルバーストンと同じ仕様でもいいが、それではレースになるとケメル・ストレートで簡単にオーバーテイクされてしまう。そのため、スパでは相手のダウンフォースレベルを見ながら、いかにダウンフォースを削るかがポイントとなる。今回のフリー走行でも、普段あまり見かけないリヤウイングを交換するシーンが複数のチームで見られたのはそのためだ。


 スパでは、ライバルのダウンフォースレベルを気にしていることは、フリー走行後のアレクサンダー・アルボンの「今日は何人かが、明らかに異なるストレートラインスピードで走っていたね」というコメントからもうかがえる。

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第7戦ベルギーGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)


 だからといって、ダウンフォースレベルを削り過ぎればセクター2でタイヤを痛め、余計なピットストップを強いられる。特に今年は昨年よりも1ランク柔らかいコンパウンドが投入されている。


 さらにスパには目まぐるしく変わる天候である『スパ・ウェザー』がある。金曜日もふたつのセッションはドライ路面だったが、セッション後に雷雨に見舞われている。


 よって、スパでは予選とレース、ドライとウエット、それぞれの最適なバランスを見つけるのが難しいのである。金曜日のフリー走行でトップタイムをマークしたマックス・フェルスタッペンも浮き足立つことはない。


「スパでパーフェクトなダウンフォースレベルを見つけるのはいつだって簡単じゃない。みんなが異なる仕様を試していたのは見ていてわかったはずだ。でも、僕らはまずまずの位置にいると思う」(フェルスタッペン)


 果たして、土曜日にレッドブル・ホンダはどのダウンフォースレベルで予選を戦うのか。土曜日のフリー走行3回目は、各チームのリヤウイングに注目したい。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第7戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第7戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第7戦ベルギーGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第7戦ベルギーGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)



(Masahiro Owari)




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