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【F1データ主義】実はスロースターターのレッドブルF1。序盤の遅れを取り戻す開発力が武器に

2020年7月17日

 第2戦シュタイアーマルクGPではマックス・フェルスタッペンが表彰台を獲得したレッドブル・ホンダだが、レッドブルリンクは昨年、優勝を遂げた思い出の地だっただけに、2連戦で1勝もできなかったという結果に、多くのファンが落胆したに違いない。


 ただし、レッドブルというチームは、本来のポテンシャルを出すまでに時間がかかる、いわゆるスロースターターのチームとして有名だ。


 たとえば、昨年初優勝したオーストリアGPは9戦目で、2018年のシーズン1勝目は3戦目の中国GPだった。これはメルセデスがシーズンを席巻するようになった2014年以降のパワーユニット(PU)時代だけの話ではなく、それ以前にレッドブルが4連覇していた時代も同様で、じつは4連覇時代にレッドブルが開幕戦で優勝したのは、2011年の1度しかない(※表1参照)。


【表1】
レッドブルが常勝軍団になった2009年以降のシーズン初優勝(未勝利の年はその年の最高位)となったグランプリ
2019年 第9戦 オーストリアGP
2018年 第3戦 中国GP
2017年 第8戦 アゼルバイジャンGP
2016年 第5戦 スペインGP
2015年 第10戦 ハンガリーGP(2位)
2014年 第7戦 カナダGP
2013年 第2戦 マレーシアGP
2012年 第4戦 バーレーンGP
2011年 第1戦 オーストラリアGP
2010年 第3戦 マレーシアGP
2009年 第3戦 中国GP


 このような事実を生んでいる背景には、レッドブルというチームがマシン開発の方向性に関して、誤ったジャッジを下す傾向にあるということが考えられる。2009年はマルチディフューザーというアイデアでライバルに出し抜かれ、2012年はエキゾーストパイプの出口のボディワークの形状を利用したコアンダ効果によるエキゾーストブローで出遅れた。2013年は意図的にデグラデーション(劣化)を大きくしたピレリのタイヤの使い方に苦労。昨年はアウトウォッシュを規制するために導入された新しい空力で後手を踏む形となった。


 これはエイドリアン・ニューウェイという空力の鬼才がいることと無関係ではないだろう。ニューウェイは天才であるがゆえに独自のフィロソフィにこだわる傾向があり、それゆえレギュレーションの盲点をつくような裏技を見過ごしてきたのではないか。現在のアウトウオッシュを規制するために導入された新しい空力でも、レッドブルだけはいまだに「へ」の字型のフロントウイングを採用していない。

F1第2戦シュタイアーマルクGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
F1第2戦シュタイアーマルクGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


 だが裏を返せば、どんなに出だしでつまずいても、シーズン中に優勝するだけの開発力がレッドブルに備わっていることも確かだ。シーズン初勝利だけでなく、勝利数も後半に多い傾向があり、後半戦に強いというイメージがある(※表2参照)


【表2】
レッドブルが常勝軍団になった2009年以降のシーズン前半と後半の勝利数(未勝利の年はその年の最高位の数)となったグランプリ
2019年 前半1勝、後半1勝(折り返し点1勝)
2018年 前半3勝、後半1勝
2017年 前半1勝、後半2勝
2016年 前半1勝、後半1勝
2015年 前半2位0回、後半2位1回(折り返し点2位1回)
2014年 前半1勝、後半2勝
2013年 前半4勝、後半9勝
2012年 前半3勝、後半4勝
2011年 前半5勝、後半5勝
2010年 前半4勝、後半4勝(折り返し点1勝)
2009年 前半2勝、後半3勝(折り返し点1勝)


 今年は開幕が4カ月間遅れ、シーズンも現時点で10戦目のロシアGPまでしか決定していない。開幕2連戦で完敗したスロースターターのレッドブルが、今後どこまで追い上げを見せるのか。まずは3戦目のハンガリーGPを楽しみにしたい。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第2戦シュタイアーマルクGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)



(Masahiro Owari)




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ドライバーズランキング

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2位セルジオ・ペレス85
3位シャルル・ルクレール76
4位カルロス・サインツ69
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7位ジョージ・ラッセル33
8位フェルナンド・アロンソ31
9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

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※中国GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング195
2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
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