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F1ロシアGP決勝:ワンツー体制の跳ね馬が不運の共倒れ。VSC活かしたハミルトンが逆転勝利でホンダ勢は鈴鹿につながる好走
2019年9月29日
9月28日現地時間午後2時10分、ロシアGP決勝が行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンが逆転勝利を飾った。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは4位、アレクサンダー・アルボンはピットレーンからスタートして5位入賞を果たしている。
決勝日は朝から晴天に恵まれ気温21度、路面温度は34度というコンディション。
パワーユニット(PU/エンジン)投入でグリッド降格ペナルティを科されたフェルスタッペンは9番、ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)は16番。予選でクラッシュし19番手に終わったアルボンは予選とは異なるスペックのパーツに交換したためピットレーンスタート。予選不出走のダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)はスチュワードの許可で最後尾グリッドスタートとなり、同様のペナルティを受けていたロバート・クビサ(ウイリアムズ)は18番グリッドからのスタートとなった。
上位ではメルセデスAMG勢だけがミディアムタイヤ、非Q3進出組では14番グリッドのランス・ストロール(レーシングポイント)以下の全車がミディアムでクビアトだけがハードタイヤでリバースストラテジーを選んだ。
スタートで最高の発進加速を見せたのはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)で、すぐさまハミルトンを抜いて2番手に上がると最初のブレーキイングであるターン2に向けてシャルル・ルクレール(フェラーリ)のインに並びかけ、ターン2でそのままホールショットを奪いトップに立った。
後方は2番手ルクレール、3番手ハミルトン、4番手にカルロス・サインツJr.(マクラーレン)、5番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)、6番手ランド・ノリス(マクラーレン)、7番手セルジオ・ペレス(レーシングポイント)、8番手フェルスタッペンという順になった。
ハミルトンはストレート区間で一旦はサインツに先行されるが、インを守ってターン2で3番手を取り戻した。ターン4でアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がダニエル・リカルド(ルノー)とロマン・グロージャン(ハース)に挟まれ、グロージャンはマシンが弾き飛ばされてバリアにクラッシュし、0周リタイアとなった。
リカルドも左リヤがパンクしてスロー走行でピットインしハードタイヤに交換。ジョビナッツィは2周目にピットインしてソフトタイヤに履き替えた。これでガスリーは12番手、クビアトは13番手、アルボンは16番手に浮上している。シグナルが消える前に発進してしまったキミ・ライコネン(アルファロメオ)にはピットスルーペナルティが科された。
レースは4周目に再開。ベッテルがレースをリードし、1秒後方にルクレール、ハミルトンは2秒のギャップを開けて走る。フェラーリはポジションのスワップをドライバーに指示するが、ベッテルは「いつでも抜けるんだからあと2周待とう」と提案する。それでもチームはスワップするように指示するが、両者の間には1.5秒のギャップがあり、さらにファステスト連発で周回を重ねるベッテルは「もっと背後に近付いてくれ」とすぐには譲らない。
15周目、それまでベッテルが更新し続けてきたファステストラップをハミルトンが塗り替え、ルクレールとの差を3秒から縮めていく。首位ベッテルと2番手ルクレールの差は3.8秒まで広がる。フェラーリがルクレールにプッシュを指示する一方で、メルセデスAMGはミディアムタイヤのデグラデーションが小さいため当初の予定よりも15周も引っ張ると伝える。
フェルスタッペンは8周目にペレス、12周目にノリスをパスして6番手へ。中団グループトップのサインツとのギャップをじわじわと縮めていき、17周目のターン2でパス。この時点で前のボッタスとのギャップは19.1秒まで開いている。
16周目にニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)がピットインしてソフトタイヤからミディアムタイヤへ。しかし他車は追随しない。20周目になってようやくノリスがピットインし、こちらもミディアムへ。翌21周目にはサインツもピットインを済ませ、3.6秒を要したもののノリスの前でコース復帰を果たした。
22周目、フェラーリはルクレールを先にピットインさせ、ベッテルはステイアウトさせることでアンダーカットによって順位の入れ換えを画策する。ベッテルは26周目にピットインし、ピット作業が3秒かかりルクレールの後方でコースに戻った。その直後、ターン14の立ち上がりでMGU-K(運動エネルギー回生システム)を失いコースサイドに緊急ストップ。これでバーチャルセーフティカー(VSC)が出てこの間にメルセデスAMG勢がピットイン。ピットタイムロスを大幅に削減したことでハミルトンがルクレールの前に出てトップ浮上を果たした。
さらにジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がターン8でブレーキを失いクラッシュしたことでセーフティカー導入となり、これでルクレールもピットインしてメルセデスAMG勢と同じソフトタイヤに交換することを決断。ボッタスの先行は許したが、同じ条件で3番手に。
4番手フェルスタッペンはルクレールの背後につけることができたものの、タイヤはミディアム。以下5番手サインツ、6番手マグヌッセン、7番手ノリス、8番手ペレスまではミディアム、9番手ストロール、10番手アルボン、11番手ヒュルケンベルグ、12番手ガスリー、13番手クビアトはソフトタイヤを履いている。中団のソフトスタート勢にとっては、使い古したミディアムで走りつづけなければならず不利な状況となった。
ギャップがなくなった状態でレースは32周目に再開。2番手ボッタスはややペースが振るわずルクレールからのプレッシャーを受け、ここから一気にハミルトンは後続を引き離しにかかる。チームからの指示で一旦はペースを抑えたハミルトンだが42周目にファステストラップを記録。後方では42周目のターン13でアルボンがバックストレートエンドでマグヌッセンをパスして6番手まで浮上してきた。
マグヌッセンはグリップの低下が進み、44周目にはペレスにもパスされる。さらにターン2で飛び出した際にゲインを得たと判断され5秒加算ペナルティを科されてしまった。アルボンは48周目にターン4でサインツも抜いて5番手へ浮上し、ピットスタートから最大限の挽回を見せた。
レース終盤に入り上位勢は膠着状態となり、ルクレールもボッタスに対してアタックは出来ず。51周目にハミルトンが1分35秒761のファステストラップを記録し、52周目にはルクレールもクールダウン&チャージラップを挟んでこの記録に挑戦するが、1分36秒193で届かず。結局ハミルトンが後続を3.829秒引き離してトップでチェッカードフラッグを受け、第12戦ハンガリーGP以来となる優勝を飾った。2位にボッタス、ルクレールは3位に終わった。
<(Mineoki Yoneya)
関連ニュース
1位 | マックス・フェルスタッペン | 77 |
2位 | セルジオ・ペレス | 64 |
3位 | シャルル・ルクレール | 59 |
4位 | カルロス・サインツ | 55 |
5位 | ランド・ノリス | 37 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 32 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 24 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 24 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 10 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 141 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 120 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 69 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 34 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 33 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 4 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |