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今宮純によるF1シンガポールGP採点:最良のタイミングで4位入賞を決めたサインツ

2017年9月21日

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、20人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間のパドックでの振る舞い、そしてコース上での走りを重視して評価する。 


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☆ セバスチャン・ベッテル
 タイトルを争う彼は2度ぶつかった。まず土曜予選、19コーナーで壁に当たりながらも(ぎりぎりセーフ)、気迫の予選アタックでPPを。一夜明けたスタートではマックス・フェルスタッペンに過剰なブロック反応(タッチ・アウト)、キミ・ライコネンともどもあっけない“ゼロ・レース”。


 プレッシャーがかかると強気になるレーサー魂を見る思いがした。28点ビハインドは数字上苦しくとも今のフェラーリの総合戦力はメルセデスに大きく劣ってはいない。「くいさがれ、セブ」――。

2017年F1第14戦シンガポールGP セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がスタート直後のアクシデントの影響でスピン

☆ バルテリ・ボッタス
 初日からカーバランスに苦しんでいた。フロントタイヤをハミルトンほどこじらない → 発熱度が低めに→リヤタイヤとの“温度差”が増す→ハンドリングに影響。こんな連鎖反応が想像できる。それでも雨上がりのレース後半はそれを修正、ノー・ドリンク状態で3位入賞、表彰台でたまらず冷えたシャンパンをガブ飲み。


☆☆ キミ・ライコネン
 ぶっつけ本番となったウエット・スタート、キミが会心のダッシュ。まっすぐに加速、ホイールスピンしてぶれるような動きは全くなかった。結果的にこのダッシュが災いに転じてしまったが、目覚ましいスタート・プレーがどこかで奏功するのを期待しよう。


☆☆ ニコ・ヒュルケンベルグ
 マクラーレン勢の願望を砕く予選7位、ルノーのセクタースピードは彼らより伸びていなかった。優っていたのはセクター3(4位相当)だ。昨年スタート直後に接触事故、今年は混乱を回避し一気に3番手へ。129戦目で遂にお立ち台かと思わせたがPUに不具合発生、またも“レース運”、尽きる。


☆☆☆ ジョリオン・パーマー
 カルロス・サインツJr.来季移籍加入が正式発表されいわば宙に浮いた状態。どこかに着地できるか否かの正念場にトップ6ゴールを決めた(最速ラップ5位相当)。ルノー・チーム7位にランクアップ、彼自身の“F1就活”にもプラスとなるか。

ジョリオン・パーマー(ルノー)とランス・ストロール(ウイリアムズ)

☆☆☆ ランス・ストロール
 『雨のストロール』と言ったら誉めすぎか。ウエットが不得意な傾向のウイリアムズでモンツァ予選に続き、ここでも濡れ乾きレースで健闘、ベテランのマッサに先行。


 ドライよりアベレージ・スピードが下がり、コーナーでのGフォースも軽減されるウエット、新人は教わるのではなく自習して何かをつかんだのだろう。18位→8位、開幕3連続リタイア後は11戦完走中で5度目の入賞である。


☆☆☆ マックス・フェルスタッペン
 あの事故ではっきり分かった。フェラーリ勢二人とも“深層心理”でフェルスタッペンを意識しすぎている。彼の動きばかりを警戒、周囲への注意がおろそかに……。チャンピオンをそうさせてしまうまだ二十歳前のマックス、月並みな言葉だが『大物』だ。土曜FP3からQ2までトップ・キープ、コース幅を広く大きく使いきる“MAXライン・ワーク”に見とれた。


☆☆☆☆ ストフェル・バンドーン
 初めてとは思えないくらい初日からスムーズなテンポ、シミュレーターで徹底学習してきたのだろう。ここでフェルナンド・アロンソに0.219秒差の予選9位は立派、決勝ではピットワークにロスがありトップ6を逃したが内容的に今季ベストレース。


☆☆☆☆ ハミルトン
 昨年からの10勝はいずれもPPスタートからだった。5位グリッドに沈み苦戦覚悟でいた彼に“恵みのシャワー”が。気付いたのは巧みなスタートだ。濡れた路面を2速ギヤで発進、するすると加速。カオスと化した事故現場を抜け、目前でスピンするベッテルを回避。それからはギャップ・コントロールしつつ今季7度目の最速ラップ、獲得率は50%に達する(!)。

F1第14戦シンガポールGP 予選グリッドから考えれば最高の結果を手にしたルイス・ハミルトンバルテリ・ボッタス

☆☆☆☆ ダニエル・リカルド
 金曜FP2での1分40秒802ラップは完璧、2位フェルスタッペンをセクター3で0.280秒も上回ってみせた(予選もセクター3最速)。3位グリッドでも“勝機”は見えていたのだろう。

2017年F1第14戦シンガポールGP ダニエル・リカルド(レッドブル)が2位表彰台を獲得

 だが先頭に立ったハミルトンを追うレース展開で最後まで仕掛けられず、後になってギア関連に問題があったと知った。無念の気持ちを隠して笑顔の表彰台、ここには母国からやってくるサポーターが多いから。


☆☆☆☆☆ カルロス・サインツJr.
 バルセロナの次に波長が合うコースなのだろう。15年は9位入賞、16年には予選6位に進出。いつも以上に縁石をまたぐような走法で挑み、それだけ壁際に近くなっても自信あり気に踏み込む。


 ボッタス、ヒュルケンベルグ、セルジオ・ペレスらとの接近レース、彼だけスーパーソフトで31周のディフェンスは厳しかったに違いない。トロロッソと彼自身の『18年プラン』が決まった週末にこの4位は大きな意味を持つ。レース後の祝宴には先輩アロンソもやってきたであろう……。





レース

5/4(土) フリー走行 結果 / レポート
スプリント予選 結果 / レポート
5/5(日) スプリント 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
5/6(月) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※マイアミGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン136
2位セルジオ・ペレス103
3位シャルル・ルクレール98
4位ランド・ノリス83
5位カルロス・サインツ83
6位オスカー・ピアストリ41
7位ジョージ・ラッセル37
8位フェルナンド・アロンソ33
9位ルイス・ハミルトン27
10位角田裕毅14

チームランキング

※マイアミGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング239
2位スクーデリア・フェラーリ187
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム124
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム64
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム42
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム19
7位マネーグラム・ハースF1チーム7
8位BWTアルピーヌF1チーム1
9位ウイリアムズ・レーシング0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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