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今宮純のF1ブラジルGP金曜インプレッション:ハミルトンの“最後の反抗”に刮目せよ

2016年11月12日

 ブラジル決戦か、それとも次戦アブダビが最終決戦になるのか。16年スーパーファイナル、緊張感みなぎる“濃縮2レース”だ。19点リードするニコ・ロズベルグは勝てば初戴冠、2位でもルイス・ハミルトンが4位以下に終われば決まる。有利であるのは言うまでもない。


 メキシコGPで通算51勝目、最後の反抗に出たハミルトンだが気になるのはここでの戦績だ。過去2年とも予選2位&決勝2位、それ以前は13年9位、12年リタイア、11年リタイア、チームメイトだったジェンソン・バトンにもすべて敗れている。9年間未勝利はインテルラゴスにおける最大のジンクス、10年目の挑戦が3連覇・4冠への賭けになる。


 本人の深層心理のなかに絶対このジンクスは潜んでいる。だからこそ初日FP1から予選のように集中力を高めているのが見てとれた。日本GP以降、セッション・トップをロズベルグに許していない。まず立ち上がりで先手をとり、自分自身をピーク・ゾーンに保ち、相手にプレッシャーを与えようとしてきた。この心理戦だけでなく、イニシャル・セッティングの面でも先行し、この日もそうなった。


 あきらかにロズベルグはセクター2で修正操作が多く、低速コーナー立ち上がりで珍しくテールスライドが目立った。コンビネーション・コーナーでのしなやかなアクセルワークが持ち味なのに、“ジグザグ”した走り。0.290秒遅れの3位にとどまった。


 しかし、最近傾向として出遅れたところからロズベルグは修正セットアップを重ねていく。それがFP2に見られた。セクター1では0.010秒、2でも0.050秒、ハミルトンより速い。だがセクター3で0.090秒遅れ、差し引き“0.030秒差”の1分12秒301で2位。異常高温コンディションに変化したなかで彼の修正術はプラスに機能、FP2時点で二人は「五分五分」と見た――。


 プレッシャーがかかっているのは彼らより、チームスタッフだろう。もし、どちらかが何らかのメカニカル・トラブルで止まったら、タイトルのユクエを決定づけてしまう。3年間最速・最強を誇るメルセデスとしては誠にみっともない最悪の事態。


 ピットウオールにいるパディ・ロウもエンジニアも、ガレージのメカニックたちにもその緊迫感がありありだ。今シーズン、数々起こった事例を絶対に防止せねば、ダブル・タイトル『最強王』の誉れに傷がつく。土・日の間、彼らはふたりと同じか以上のプレッシャーにさらされる……。


 そのファクターがレッドブル陣営にとってつけ入る隙にもなりえる。メキシコGPでマックス・フェルスタッペンが1コーナーで仕掛けたように、彼らは最終盤にきてとても攻撃的だ。それが可能なのは、メルセデス陣営はマシンとPU信頼性を絶対確保せねばならず、中盤戦までのように予選やレース中に“MAXモード”を多用していない(かのようだ)。


 目を転じるとFP2でウイリアムズが3、4位に進出した。メルセデスPUユーザーの彼らが初日、ここまで上昇するのは非常に珍しい。


見方1:ワークスがPUセーブしているためにその差が縮まったのか。
見方2:攻撃的なレッドブル勢を封じ、ウイリアムズに閉じ込める役割を期待しているのか。


 金曜PUではあっても、ウイリアムズ勢が“暫定2列目”を占めたのはふだんより燃料が軽いか、MAXモードに近いか、興味深い。もちろんこれは対フォースインディアとの“ランク4位ミニ選手権”を一層、おもしろくしてくれる。


 ――サンパウロの空は突然、泣き出すことがある。この2年そうならなかったけれども13年は金・土の2日間とも雨、12年はウェット・レース、10年は予選(ヒュルケンベルグPP)、08年は劇的なマッサ優勝後にハミルトン戴冠が雨のインテルラゴスで見られた。喝采のゴールかいや、それとも――。



(Text:Jun Imamiya)




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