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【無線ハイライト】「あのアタックは自殺行為だ」絶対に譲れない、ベッテルの主張

2016年4月20日

 1周目に8番手まで後退したが、ソフトタイヤを使いこなし、クビアトをコース上で抜き返しての2位表彰台。上海のフェラーリに速さはあった。チェッカー直後「よくやった、すばらしいリカバリーだったよ」とねぎらうアダミに対してベッテルは、あらためてチームへの謝罪とクビアトのドライビングに対する批判を述べた。

「チームのみんな、本当にごめん。わざとやったわけじゃないけど、キミにも謝りたい。だけどクビアトが魚雷みたいにアタックしてきて反応するしかなかったんだ。キミも同時にインに入ってきたから、どうすることもできなかった」

 それだけに自らのドライビングに責任を感じていないクビアトの態度は、ベッテルにとって許せるものではなかった。

「(ライコネンと)何があったの?」

 表彰式の控室でリプレイ映像を見ながら言ったクビアトの言葉に、ベッテルの怒りが爆発した。

「スタートで何が起きたのか、だって? 僕が左にラインを変えなかったらクラッシュして3台ともリタイアしていたんだぞ。君は魚雷みたいに飛び込んできたんだぞ!」

 それがレースだろうと笑うクビアトには、事態の深刻さは伝わっていなかった。

「僕がラインを変えなかったら、君もクラッシュしていたんだぞ」

 だけどベッテルはラインを変えた、僕らはぶつからなかった。だから問題ないだろう? そう言い返すクビアトに、ベッテルは強い口調で言った。

「お前がクラッシュしなかっただけだ! 今回はラッキーだっただけ。その代わりキミ(ライコネン)は不運を被ったんだ。僕らは、きちんとフィニッシュする必要がある。あんなクレイジーなことをすべきじゃない」

 ベッテルが左に避けたから、ライコネンとの同士討ちで済んだ。もし、つまらない意地を張ってクビアトに対抗していたら3台もろとも、もしくはそれ以上の多重クラッシュになったかもしれない──それをクビアトが理解しない限り、ベッテルの怒りは伝わらないだろう。

(米家峰起/Text:Mineoki Yoneya)





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