新しい年はホンダにとって、あらゆる意味で新しい夜明けとなった――チームのCEO、ニック・フライはそう語る。ホンダは、不本意な2007年シーズンを過去のものとし、2008年にリベンジを目指している。
昨年ジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロがドライブしたRA107は、合計34回の出走においてわずか6ポイントしか挙げることができなかった。だからこそ、後継車のRA108は白紙から始める必要があったのだ、とフライは主張する。ホンダは、今週、最先端技術を集めたブラックレーの本部においてRA108を正式に発表した。
フライによれば、冬の期間に大きな変化が起こっているという。
「2007年が全く期待外れの年だったことは言うまでもない」と51歳のフライは認めた。
「その結果、この6カ月の間に、チーム内で重大な変化が起きた」
「まさしく進化が加速していくプロセスだった。私たちはたくさんのことに変更を施したが、中でも本当にやろうとしてきたのは、あらゆる主要分野において多くの経験をチームに注いで、問題に取り組むということだ」
昨年の“マイ・アース・ドリーム”というテーマは、2008年に向けて“アース・ドリームズ”へと進化した。フライは、70万米ドル以上が海洋、森林、都市の環境保護活動のために最近寄付されたと語り、ホンダがスローガンどおり行動していることを示した。ホンダは地球温暖化への注目の高まりを、実際に行動を起こすための自発性に変えていこうとしている。
一方、F1活動の方では、新しいチームプリンシパル、ロス・ブラウンが、主要な空力やレースエンジニアリング、デザイン部門を束ねている。彼はフェラーリでテクニカルディレクターを務めた、非常に経験豊富で実績のある人物だ。フライは、チームがまもなく、かつて慣れ親しんだグリッド上位に返り咲くための状況がすべて整ったと確信している。
「あらゆる点において、全く異なるデザイン哲学が採用されている」とフライは強調した。
「RA108の背景にある思想は(昨年とは)違ったものだ。メルボルンに行くまでには、マシンのあらゆるコンポーネントが、昨年のマシンとは異なるものになるだろう」