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モンツァ・サーキット、改修工事でランオフエリアの一部がグラベルに。縁石の刷新も予定

2024年1月10日

 イタリア政府、ロンバルディア州、ACIイタリア自動車クラブがモンツァ・サーキット(正式名称:アウトドローモ・ナチオナーレ・ディ・モンツァ)の近代化に向け、1月8日から行っている2100万ユーロ(約33億円)の投資は、主にインフラを最新のF1基準に引き上げること、とくにお金を払ったファンにより良いエクスペリエンスを提供することを目的としている。


 また、サーキット改修におけるトラック側のトピックでは、前回行われたテクニカルレギュレーションの変更によりこの高速トラックは以前よりも挑戦が失われたため、レース環境の改善にも重点を置くことになる。


 モンツァの改修計画がメディアやファンと共有された長いセレモニーでは、ストレート上の古いアスファルトの一部が取り除かれ、このトラックの改善が始まったことが人々の目の前で示された。ここではさらに、レースに関連した計画も発表された。


 ドライバーにとって、もっともエキサイティングなことはモンツァ・サーキットの最初のふたつのシケインのランオフエリアがグラベル仕様に戻ることだろう。これはFIAと合意によって実現するもので、過去数年間に多くのドライバーが使用していたシケインをカットするインセンティブを取り除くための最善の策であると考えられている。


 ホームストレートの先に待ち受ける最初のシケイン、“バリアンテ・デル・レティフィーロ”のランオフエリアはその大部分が芝生だったが、ドライバーがたどることのできるよう舗装されたルートがふたつ存在した。ひとつはコーナーを直進してコースに戻るルート。もうひとつは左に切り返すコーナー部の内側をショートカットするルートだ。


 前者では舗装路上に置かれたいくつかのポリステリンブロックを避けて進む必要があり、後者は複数の小さなバンプを乗り越える必要があるが、どちらの場合も当該部分を通過することで、本来のルートを通過するクルマに対して明らかに利点があった。


 今回の改修後、従来はターマックだった部分がグラベルに置き換えられるため、ふたつめの小さなルートは消滅する。この変更は最初のシケインで楽観的な動きをしようとするドライバーにとって大きな抑止力となるはずだ。

“バリアンテ・ロッジア”を直進するオスカー・ピアストリ(マクラーレン) 2023年F1第15戦イタリアGP
“バリアンテ・ロッジア”を直進するオスカー・ピアストリ(マクラーレン) 2023年F1第15戦イタリアGP


 ふたつめのシケインである“バリアンテ・ロッジア”でも同じことが起こる。ブレーキポイントを逃したドライバーのために用意された避難路は正規のトラックルートを行くよりも速くなっていたため、ここでもターマックがグラベルに置き換えられる。シケインをカットするドライバーは砂利のなか通過しなければならず、タイムロスは避けられないばかりかクルマを傷つける可能性もある。


 確認すべきことは、クルマがコースアウトした際に砂利がトラックに飛び込むのをどのように回避するということだ。これは過去に我々が経験した主な問題であり、これらふたつのランオフエリアにターマックが採用された主な理由でもあった。


 計画の一部には歴史あるイタリアのサーキットですべての縁石が変更されることも含まれていることが明らかにされた。傾斜がつけられている現在の縁石はタイヤにとってリスクがあるとともに、クルマがコース上に留まるのを助ける目的には適していないためだという。新しい縁石は、より近代的なサーキットで見られる同じ世代のタイヤに優しいものになるといい、グリップを低くすることで使用を妨げる狙いがある。


 これに加えてトラックの悪名高いバンプ、とくに“バリアンテ・アスカリ”から“クルバ・アルボレート(旧パラボリカ)”間の凹凸を取り除く新しい舗装と組み合わせることで、トラックの性質は大きく変わることが予想される。そのため2024年F1イタリアGPの金曜日はドライバーとチームにとって学びの日となるだろう。

2024年1月8日(月)に行われたモンツァ・サーキット改修工事の起工式の様子
2024年1月8日(月)に行われたモンツァ・サーキット改修工事の起工式の様子



(Grandprix.com)




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