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【レースの焦点】順当に勝利を収めたハミルトン、その裏で露呈した“伝統が途切れた後のクラシックGP”の難しさ/F1第8戦フランスGP

2018年6月27日

 90年までのフランスGPでも渋滞は常に存在したが、それは“みんながキャステレの丘に集まる”という理解の範囲内のものだったし、海辺のホテルは簡素でも小さな港町の食事は美味しく、地元の漁師さんたちとの交流も楽しく、何より南仏の遅い夕暮れの風景が美しく、そうしたプラス要素が(許容範囲内の)アクセスの悪さというマイナスを上まわっていた。当時のカレンダーではフランスGPは7月の第1〜2週で、フランスは全国的な“バカンス”に入った直後。観客の多くは周辺のキャンプ地から徒歩や自転車やバイクで駆けつける陽気なキャンパーで、そのイメージが南仏の太陽と共鳴してポール・リカールのフランスGPを形成していたのだ。

 そんなフランスGPが政治的な理由でマニ-クールに移動し、宿泊事情の悪さや渋滞の問題を抱えたまま08年を最後に途絶えた後、ベテランのファンやジャーナリストはバルセロナやモナコ、あるいはスパで「フランスGPの名前がなくてもフランスのファンにはいくつも選択肢がある」と言った。

「新規開催のように国家予算を割くことは考えられない。フランスGPと冠するために高額な開催権料を負担した結果、政治的な論争に発展してF1が悪いイメージを背負うより、南仏からはバルセロナ、お金持ちならモナコ、パリからならスパに来るほうがいいんだよ」と。

 今日のF1のフォーマットにポール・リカールが適していないこと、10年間テスト専用のコースにしたがゆえにサーキットはモダンでも周辺にはイベントに対応できるオーガナイズやインフラが発展していないことを、彼らは十分に感じていたのだ。

「ドライバーズパレードでは、昔のグランプリみたいにサーキット中からファンが声援を送ってくれた。今日では観客スタンドの半分も埋まってないグランプリがあるけど、ここは最高だね」とハミルトンは言った。

「ただし、コースと観客スタンドが離れすぎているのは好きじゃない。みんな双眼鏡が要るんじゃないかな」

XPB Images

 エステバン・オコンは、スタート直後のストレートでロマン・グロージャンに寄せられて接触し、その時点で大きなダメージを負ったと言った。そのオコンがターン3で単独走行のように左から右に横切るラインを取り、その動きに驚いたピエール・ガスリーはフォース・インディアに接触、2台はリタイア。自らが引き起こしたこととはいえ、マシンにダメージを負ったグロージャンもポイント獲得の目標を果たすことはできなかった。

“地元のプレッシャー”と人は言うかもしれないけれど──10年ぶりのフランスGPで3人のフランス人ドライバーが背負っていたのは、ファンの声援があってもプラスに転じることは到底できない現地の問題への複雑な心境、せめて自分が活躍することでという精一杯の抵抗だったかもしれないと考えると、切ない思いが残る。

(Masako Imamiya)





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