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【レースの焦点】セクター3を攻略し、ハミルトンを打ち破った“寡黙な努力家”ボッタス/F1アブダビGP

2017年11月28日

■“持てる力の最高の結晶”を生み出したアロンソ&マクラーレン・ホンダ
 そんなルノーの後方で“持てる力の最高の結晶”を生み出そうと誰よりも努力したのは、マクラーレン・ホンダとフェルナンド・アロンソだった。

 1年前のアブダビGPでもアロンソがフェリペ・マッサの0.460秒後方、10位でゴールしたことを覚えているファンは少ないかもしれないけれど、チームとドライバーには“デジャヴュ”とも言える状況だった。

Sutton Images

 スタート直後、ターン1でアウト側を走りながらアロンソはマッサの前に出た──。アロンソの強さは、シグナルへの反射やクラッチパドルの操作やアクセルワークだけが理由ではない。誰も気にしてないフリー走行の段階で必ず、レコードラインではない“コンペティションライン”を試し、グリップレベルを頭と身体にインプットしているからだ。

 それでもメルセデスのパワーに敗れて第1スティントをマッサの後ろで走り続けたアロンソは、乱気流を受けながらDRS圏内の間隔を維持し、それによって燃料をセーブしながらウイリアムズの回生エネルギーの量を見極めていたに違いない。

 21周目のピットインは単純なアンダーカットではなく、チームが言うように「マッサとの間隔を詰めるため」の作戦だった──。22周目にカバーしたマッサは、マクラーレンより1秒以上短い静止時間でタイヤ交換を済ませてマクラーレンの前でコースに戻ったのだから。

 直後、ターン5〜6でウイリアムズの右に並んだアロンソは、ターン7のヘアピンでアンダーステアに任せるようにアウト側に進みつつ、マッサより素早くストレート方向にマシンの姿勢を整え、マッサに遅れることなく加速に入った──。ブリヂストン対ミシュランの対決が華やかだった頃、エンジニアを驚嘆させたアロンソのドライビングだ。

 DRSとスリップストリームを活かして、アロンソはターン8でマッサをオーバーテイクすることに成功した。普通なら2本目のストレートでDRSの権利を得たマッサが抜き返しにかかるところ、ウイリアムズの回生エネルギーはターン11よりずっと手前で途絶えた……。

 アロンソが「最終ラップでG1を使う(=予選同様のアタックをする)」とピットに伝えたのはゴールまで20周を残した34周目のこと。同時に、ストフェル・バンドーンをポイント圏内に入れるため、助ける方法はないのかとチームにたずねていた。

 その後、彼が連続して1分42秒台前半で走ったのは44〜45周目で、これがマクラーレン・ホンダに可能な本来のペース。フォース・インディアのペレスにも遅れていないことが重要なポイントだ。

 レースファステストを確認しつつ挑んだ最終ラップのタイムアタックはボッタスに1秒届かず、アロンソ自身にとって
「いいラップじゃなかった」けれど、マクラーレン・ホンダの3年間の挑戦の、最後のラップまで全力を注いだドライバーには、敬意で胸がいっぱいになる。

「思う結果は得られなくても、誰ひとり諦めなかったマクラーレン・ホンダの挑戦に悔いはない」というアロンソの言葉を、F1ファンなら素直に理解できる。道半ばで別れる痛みがあるから──アブダビの花火は彼らの心にいっそう鮮やかに残ったはずだ。

(Masako Imamiya)





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