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F速分析:最速ロズベルグの5つの敗因

2014年7月28日

LAT

 夏休み前最後の1戦となったハンガリーGP。優勝を手にしたのはレッドブルのダニエル・リカルドでした。自身2度目のトップチェッカーであります。しかし、スタート前はもちろん、レース中盤まで、リカルドが優勝するなどとは、思いもしませんでした。彼の勝因を、検証してみることにしましょう。

 リカルドの勝利を検証する上で欠かせないのは、“なぜニコ・ロズベルグは勝てなかったのか?”ということ。圧倒的な速さのマシンを駆り、唯一のライバルであるチームメイト、ルイス・ハミルトンもピットスタートとあっては、いくらウエットコンディションでも、不安要素は見当たりませんでした。実際にスタート直後は快調に飛ばし、8周で2番手のバルテリ・ボッタスに10.5秒もの大差を付けていました。しかし、結果は表彰台すら逃して4位。レースを細かく見てみると、彼が勝利を逃すことになったいくつかの“ポイント”が見えてきました。

 まずひとつめは、最初のセーフティカー(SC)出動のタイミングです。SC出動時、ロズベルグは既に最終コーナーを立ち上がり、メインストレートを走っていました。路面はすでに乾きはじめていたため、多くのマシンがすぐさまピットインしてドライタイヤに交換。しかし、首位のロズベルグから4番手のフェルナンド・アロンソまではピットに入ることができず、リカルドらの先行を許してしまいます。

 これだけなら、ロズベルグはおそらく挽回できたでしょう。しかし、SC解除直後に、ふたつめのポイントがありました。それが、15周目にジャン-エリック・ベルニュにオーバーテイクを許してしまったことです。この頃のロズベルグはブレーキバランスの調整に手間取り、ペースを上げられずにいました。その隙を突いて、アロンソとベルニュが先行。アロンソはどんどん差を広げていきますが、ロズベルグは遅いベルニュに前を抑えられ、先行車との差をみるみるうちに広げられてしまいました。しかも、ベルニュのブロックは巧みで、なかなか抜くことができません。ここで、3つめのポイントがやってきます。それはベルニュを“アンダーカット”したことです。

 32周目、ロズベルグはピットインを先に行ってベルニュの前に出ようとします。ベルニュはロズベルグの2周後にピットイン。確かにロズベルグは、ベルニュの前に出ることには成功しましたが、ベルニュがいなくなったことで、同じく抑え込まれていたハミルトンと、タイヤを交換して後方に下がっていたリカルドのペースが上がり、ふたりの先行を許してしまうことになります。ロズベルグは、新しいタイヤを履いたことでリカルドから再び実質的な順位を奪いますが、その後ミディアムタイヤを履いたハミルトンに抑えられてしまいます。


 今回持ちこまれたタイヤはミディアムとソフトでしたが、両者の性能を比較すると、ソフトの方がミディアムよりも圧倒的に速かった。ピレリの発表によると、その差は1周あたり約1.6秒。実際今回のレースでも、ウイリアムズやレッドブルには、約2秒程度の差が生まれていたようです。しかしその反面、ミディアムのデグラデーションはほとんどないのに対し、ソフトは1周あたりレッドブルで0.12秒、ウイリアムズは0.3秒ものデグラデーションが発生していました。

 この日2度目のタイヤ交換で、ハミルトンはミディアムを履いて先行。ロズベルグはソフトを装着し、前を走るハミルトンを追うという展開になっていました。メルセデスAMGもソフトタイヤの方が速いのは同じで、ロズベルグはハミルトンとの差を徐々に詰め、45周目にはほぼ真後ろという位置まで迫ります。チームはハミルトンに対して「ロズベルグを先行させろ」と指示しますが、なかなか応じず。結局ロズベルグが先行することはなく、ハミルトンの後ろのまま、最後のタイヤ交換に向かいます。

 ハミルトンに抑えられた時点で、ロズベルグの勝機は断たれました。それでも、まだ表彰台の可能性は残されていましたが、次のポイントでその可能性も潰えます。それは、“最後のピットストップのタイミング”です。

 ロズベルグは56周目に最後のピットインを行いましたが、コースに復帰したのはマッサとライコネンの後ろ。結果、彼らのペースに4周ほど付き合わされ、1周約1秒ずつ、先頭からの差が開いてしまいました。その後のロズベルグのペースを考えれば、失ったタイムはもっと大きいかもしれません。あと2周、場合によっては1周でもピットインが遅ければ、ロズベルグがふたりに前を抑えられることなくタイヤを交換でき、ハミルトンやアロンソと、もっと戦えたはずです。




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