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メルセデスF1代表、風洞の使用を禁止する計画に安全面での懸念を示す。コストと持続可能性には利点も
2020年11月20日
メルセデスのチーム代表であるトト・ウォルフは、2030年からF1が風洞使用を禁止する可能性について、安全上の懸念につながると警告したが、その案についてはコスト面での利益があることも認識しているという。
風洞使用禁止案は、第12戦ポルトガルGP後のF1コミッションの会議で議題となった。この計画は、今後数年でCFD(計算流体力学)技術が進化することで、F1チームは風洞での開発を省略することができるのではないかという仮定に基づいている。
ウォルフは原則としてその案に賛成しているが、理論的な数値解析とデータ構造を空気力学のみに依存すると、実際の場で安全上の懸念が出るだろうと警告した。
「長期的にはこの案を実現させるという幅広い合意があったと考えている」とウォルフは語った。
「だがこれは、安全上のある面をも含む規則上の大幅な変更だ。マシンは大きなダウンフォースのある、地上で最速のクルマであることを忘れてはならない。CFDに基づいて作られたマシンに、実際にドライバーを乗せて実験することはしたくない」
それでもウォルフは、CFDのみでのアプローチには、コストと持続可能性という利点があることを認めた。
「2030年に風洞使用を禁止するくらいの目標を設定するのは、誰にとっても理にかなう道筋だろう。それはF1を財政面でより持続可能なものにする助けになる」
マクラーレンは現在、ウォーキングに最先端の風洞施設を建設中だ。チームのマネージングディレクターを務めるアンドレアス・ザイドルは、F1コミッションで議題に出された計画に留意しているが、その議論はまだ初期段階のものだと主張した。
「F1コミッションで行った議論はまだ初期段階のものであり、長期的に取り組んでいくものだ」とザイドルは語った。
「我々が長期的に見て、将来のある段階で風洞の使用を禁止したり大幅に減らす可能性があると考えていることは間違いない。CFDの進化は早いが、一方で現在CFDができることに目を向けてみると、風洞を使わないでいられる状況からは様々な理由によりまだ程遠い」
「そういうわけで、我々が行った議論は、短期および中期的な意志決定には何の影響も及ぼしていない」
一方ルノーF1のエグゼクティブディレクターを務めるマルチン・ブコウスキーは、風洞での開発を禁止する考えは新しいものではなく、達成することができるだろうと主張している。
「F1は挑戦を好む。開発に不可欠なものを、シミュレーションの部分を強化するから10年以内になくせというのなら、そうすることは可能だと思う」とブコウスキーは語った。
「以前はこのトピックが出るたびに、2年や3年以内に禁止しようという話になったが、それは現実的ではなかった」
「10年単位の目標であり、F1で我々が構築している持続可能性のメッセージに沿ったものであるのなら、それは現実的な見通しだ」
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(autosport web)
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