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F1の第2四半期決算、コロナ禍でグランプリを開催できず前年同期比96%の大幅減

2020年8月11日

 F1が2020年第2四半期の決算を発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行と、それに伴うグランプリ関連の売上減少が大きく影響して、収入は前年同時期比で96%の減少となった。


 4月から6月にかけてレースが開催できず、スケジュールの大幅な変更を余儀なくされたため、必然的にF1の商業権保有者であるリバティ・メディアの売上と損益が打撃を受けた。


 F1の収益は、2019年第2四半期の6億2000万ドル(約657億2000万円)に対して、2020年の同期はいくつかのスポンサーシップによる収入のみの2400万ドル(約25億4400万円)にまで落ち込んだ。


 営業利益は、前年同期は1400万ドル(約14億8400万円)の黒字だったが、今年は収入の減少が響いて、第2四半期に1億3600万ドル(約144億1600万円)の赤字を計上した。


 F1は10チームへの4〜6月期の分配金について、「カレンダー上のレース開催に応じて比例配分される性質のため」支払われなかったとした。


 さらに、今年の後半は15から18レースの開催を目標にカレンダーの再編も進んでいるものの、グランプリの開催権料が変動しているため、テレビ放映権とスポンサーシップの収入だけに頼る第3四半期と第4四半期の業績への影響は避けられない。


「2020年の第2四半期にはレースが開催されず、計上される収益は限られていた。この期の主な収益源には、レース開催に関係しないスポンサーシップ収入だけが含まれている」と、リバティ・メディアは8月10日に述べた。


「レースプロモーション費も放映権料も計上されなかった。同様に、この期はパドッククラブやその他イベント関連の収入、そしてテレビ制作による収入がゼロだったため、F1の収入が減少した」


 リリースでは、経済悪化の影響を緩和するための措置も以下のように説明された。


「F1は第2四半期に経費削減を行った。そのなかには、必須ではない支出項目の削減や繰り延べ、給与削減、ボーナス削減などが含まれる」


「F1はまた、(英国)政府の支援による一時帰休制度を活用し、全従業員の約5割に対して、いくつかの期間に分けて適用した。人件費については、F1のシーズン開幕に合わせてほとんどの従業員が復帰したため、第3四半期には通常に近いレベルに戻ると考えている」

■キャリーCEO「レースのない期間にF1のビジネスを進めてきた」

 財政的なプラス材料として、F1はドイツ、オーストリア、ロシアと複数年にわたるテレビ放送契約を結んだことを発表したが、見通しの暗い決算数字を見栄え良く変えるほどではない。


 2020年6月30日の時点で、F1には会計簿上で23億ドル(約2438億円)相当の現金、預金、リボルビング・ローン枠がある。


 F1のCEOを務めるチェイス・キャリーは「7月からコースに復帰することができ、現時点で5レースを終え、シーズン全体では15ないし18レースを想定できていることを嬉しく思っている」と語り、さらに以下のように続けた。


「レースが開催できなかった期間中、我々は2021年シーズンから適用するコストキャップ削減や、新たなテレビ放映契約、スポンサーシップ契約などを行い、F1のビジネスを前に進めてきた」


「さらに、新たな目標と決意のもとで『#WeRaceAsOne』のプラットフォームを立ち上げ、持続可能性、多様性への取り組みを強化し、コミュニティー戦略を加えた」


「#WeRaceAsOneは、我々が持続可能性の問題をさらに追求し、共同して人種差別に対抗し、COVID-19と闘い、引き続き不平等や多様性の問題にも取り組んでいくためのキャンペーンとして立ち上げたものだ」


「F1のレース再開を可能にしてくれたFIA、各チーム、主催者、従業員、その他主要なパートナーたちに感謝を申し上げる」

マーティン・ブランドル(左)とチェイス・キャリー(右)
2020年F1第5戦70周年記念GP マーティン・ブランドル(左)とチェイス・キャリー(右)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(autosport web)


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