マクラーレン・ホンダ密着:ほぼトラブルフリーの3日目。会見で浮き彫りになった“文化の違い”
2017年3月2日
マクラーレン・ホンダはテスト3日目になってようやく、ほぼトラブルフリーで1日を終えた。その日の午後、まだフェルナンド・アロンソが周回を重ねている最中に行なわれたチームの定例会見では、ホンダF1の長谷川祐介総責任者に向かって厳しい質問が矢継ぎ早に飛んだ。
多くは昨日のトラブルの原因と、今後の対処を訊くものだったが、現時点では何もわかっていないだけに、「今は対処のしようがありません。同仕様のパワーユニットを使い続けるだけです」と答えるのみだった。
また、日本と欧州の“文化の違い”も、浮き彫りになった。ここまで満足に走れていないふたりのドライバーに対し「すまなく思う」という意味で、長谷川総責任者は「I feel sorry」とコメントした。
しかし、ヨーロッパ社会でこう言った場合、「私が全面的に悪かった」というニュアンスを含む。案の定と言うべきか、海外のF1サイトではこの発言が見出しになっていた。
「ホンダは過去2年の参戦で、充分技術的な蓄積をしてきたはず。なのに3年目の今年もいきなりトラブルが頻発するのは、どうしたわけか」という質問もあった。
会見では質問者の真意がうまく伝わらなかったようで、後で改めて長谷川総責任者に尋ねてみた。「トラブルが出ないのが、もちろん理想的です。しかしホンダは今季、かなり攻めた開発をしています。なので(トラブルの発生は)ある程度覚悟の上です」と述べた。
“攻めた開発”とは、具体的にどんな内容なのだろう。長谷川総責任者は「どこまで公表していいのか、まだ迷っているんですが」と前置きしつつ、「一番大きいのは、ターボを下げたことですね。レイアウトを変えて、重心を下げました」と、明かしてくれた。
ホンダ製パワーユニットのレイアウトは2016年まで、V6エンジンのVバンクの中にタービンとコンプレッサーを収めるスプリットターボ方式を採用していた。
去年からはターボ径を大きくし、エネルギー回生効率を向上させたが、Vバンク内にあることは同じだった。それが今年はバンクから出すことで、大きく重心を下げたというのだ。
「ものすごく下がってます。それが一番大きな変更ですね。よくできたと思います」。センチメートル単位で下げたのかと訊くと、「そうです」と言明した。ミリ単位の変更さえ困難を極めるF1の世界では、確かにものすごい変更である。
本格的にパフォーマンスを追求する来週からの合同テスト2回目で、その効果のほどが確認できそうだ。
(Kunio Shibata)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 99 |
2位 | ランド・ノリス | 89 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 87 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 73 |
5位 | シャルル・ルクレール | 47 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 38 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 31 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 20 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 10 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 188 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 111 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 89 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 78 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 25 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 6 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

