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【レースの焦点】ハミルトンの“奇跡”の勝利の裏に隠された、エンジニアたちの無数の思考と緻密な計算

2018年7月25日

 43周目にはターン6で雨が落ち始めた。しかし何台かがインターミディエイトに履き替える一方で、フレッシュなウルトラソフトを履いたハミルトンは自己ベストを記録。45周目はベッテルより2秒も速いラップタイムで周回した。この時点で20秒だった首位ベッテルと4番手ハミルトンとの間隔は、50周目には12秒まで縮まった。28周目に履いたソフトで走行を続けていたボッタスもフェラーリより1秒速いペースで走り、51周目にはライコネンが周回遅れのマグヌッセンに押し出された隙に2番手に浮上した。

 ベッテルがターン13でコースアウトしたのは直後の52周目──。雨がもっとも広範囲に広がった周回は、スタジアムセクションも濡れていた。

 ボッタスが2番手に上がったこと、それでもまだ9秒のリードがあったことを、ベッテルはおそらく知らずにいただろう。ただし、クラッシュ直前のラップタイムがハミルトンと変わらないことからも、トリッキーな条件でも攻めざるを得なかったベッテルの心境が伝わってくる。

 セーフティカー出動によってボッタスはタイヤ交換。チームの指示が混乱するなか、ピットに入りかけたハミルトンは禁断の“分離帯”を通って本コースに戻り、首位を守ってリスタートを迎えた。

XPB Images

 奇跡のような勝利は、雨とベッテルのミスによって実現した。しかし、勝利の下地を作った要素はいくつもある──。リバースストラテジー。レース中に低下した路面温度。ウエット路面をカバーできるメルセデスのセットアップ。“ホーム”で戦う彼らが、他のどのチームより詳細で具体的な雨情報を手にしていたこと。ウルトラソフトがミックスウェザーでも機能すると知っていたこと。ピット入り口の問題を、スチュワードが事実上は咎めなかったこと。そしてもちろん、攻めるべきときに攻め、冷静さを保ち、難しいコンディションをノーミスで走り切ったハミルトンの反骨精神こそが最大の勝因。

 奇跡のような勝利には、物理の法則と予測できない自然を相手に、格闘を続けたエンジニアたちの無数の思考と緻密な計算があった──。ハミルトンというドライバーは、彼らにとって最も確かな要素だったかもしれない。

(Masako Imamiya)





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