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ホンダF1田辺TDレース後会見:「今日のレースはガスリーの優勝につきる」今後に向けてモチベーションの高まる1勝
2020年9月7日
2020年F1第8戦イタリアGPの決勝レース中盤にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がまさかのパワーユニット由来のリタイアを喫し、チームメイトのアレクサンダー・アルボンも入賞圏外を走行する厳しい展開。それだけにアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが首位に立ち、背後から猛追を受けながら走り続けている時には、「とにかく守り切って勝ってほしいという思いでいっぱいだった」と、ホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは述懐する。
そしてガスリーは見事に、初優勝を果たした。「ホンダが今ここにいるのは、彼らのおかげ」と語る田辺TDに、アルファタウリ・ホンダの戦いを振り返ってもらった。
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──ホンダとしては厳しい展開のなか、ガスリーが初優勝を遂げました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、TD田辺):今日のレースはとにかく、アルファタウリ・ホンダのガスリー選手の優勝につきます。チームにとっては地元イタリアでの優勝、そしてホンダにとっては、トロロッソ時代から始まったパートナーシップにおける50戦目の節目の勝利でもありました。チームにとってもホンダにとっても、今後に向けてさらにモチベーションの高まる1勝でした。
──一方でフェルスタッペンは、リタイアを喫してしまいました。
田辺TD:いつも目標を訊かれた時には「4台完走、4台入賞」と答えているのですが、その意味ではマックスのパワーユニット起因のリタイアは非常に悔しいです。一方で(パワーユニットの)予選/レース同一モードでの初レースとしては、予選もレースも想定どおりにできたと思います。レースでの全体的な結果に関しては複雑な思いですが、ガスリー選手の優勝を素直に喜びたいです。
──トラブル原因は、ハードウェア関連の可能性があるのですか?
田辺TD:あらゆる可能性があります。調べないと特定できないですね。
──アルファタウリとの50戦目での優勝となったわけですが、田辺さんは以前から、「彼らがいなければ、今のホンダはなかった」と言っています。両者の協力関係について、もう少し詳しく話してくれますか。
田辺TD:PUメーカーと車体を製造するチームが組んで仕事をする時には、往々にしてチーム側から「クルマを速くするには、PUはこうあれ」と言われる。我々も今まで、そういう付き合い方をしてきました。
しかしトロロッソは最初からとにかくオープンな姿勢で、「ホンダは何をしたいんだ」と聞いてくれた。技術的な面もそうですが、それ以外の共同作業全般で、何か不都合はないか、と気にかけながら一緒にやってくれました。スタッフには日本人と付き合ったことのない人がたくさんいたわけですが、(フランツ)トスト代表が日本文化を勉強して理解しろとスタッフに言ってくれたりしました。そういうベースになる部分からホンダと付き合う、日本人と付き合うという姿勢だったんです。
そして技術的な部分では、とにかくオープンマインドでやってくれました。その結果、マシンパッケージはどんどん良くなっていった。そういう基本姿勢は、去年からのレッドブルとの関係も同じです。そのスタートを切ったのが、まさにトロロッソでした。その意味で、我々が今ここにいるのは、彼らのおかげだと言ったわけです。
──レース終盤、マクラーレンからの猛追を受けながらもガスリーは逃げ切りました。この典型的なパワーサーキットで、しかも初めての予選/レース同一モードでのレースにおける優勝を、ホンダはどう捉えていますか。
田辺TD:レース距離の後半半分を、きっちり首位を維持して走り切れたということは、何よりもパッケージとしてクルマがきちんとできていたことを示しています。予選のクルマ造り、レースのクルマ造り、そのバランスもきっちり取れていた。ですのでこういうレース展開ができたし、トップを守り切れたと考えています。
──終盤10周の攻防を、田辺さんはどう見ていましたか。勝つことに確信めいたものがあったのか、あるいは祈るような思いだったのでしょうか。
田辺TD:あと10周ぐらいで2秒とか2.5秒差だったのが、徐々に詰められていった。ただガスリー選手のラップタイムが落ちていたわけじゃなくて、自己ベストを更新しながら走っていた。ホンダ4台の状況では苦しいレース展開でしたし、とにかく守り切って勝ってほしいという思いでいっぱいでした。そんな祈る気持ちの反面、これはいけそうだなという確信も増えていきましたね。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 362 |
2位 | ランド・ノリス | 315 |
3位 | シャルル・ルクレール | 291 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 251 |
5位 | カルロス・サインツ | 240 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 189 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 177 |
8位 | セルジオ・ペレス | 150 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 31 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 566 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 537 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 512 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 366 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 46 |
7位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 36 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 14 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |