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レッドブル・ホンダ分析:わずかに残っていた優勝のチャンスを掴めなかった背景にリカルドの存在

2020年8月31日

 2020年F1第7戦ベルギーGPの決勝レースにおいて、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンには勝つチャンスが、わずかだが、あった。


 メルセデスのアンドリュー・ショブリン(トラックサイドエンジニアリングディレクター)はこう明かす。


「第2スティント序盤は、まだ1ストップか2ストップか決まっていなかった」


 レースは10周目にアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)が単独クラッシュし、その直後を走行していたジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)を巻き込む多重クラッシュとなったために、セーフティーカーが導入された。


 メルセデスの2台はフェルスタッペンと同様、ミディアムタイヤでスタートしていたため、第1スティントはもう少し長く取りたかったが、セーフティーカーが入ったことでピットロスが短くなるため、ここでほかの多くのドライバーたちと同様、ピットインせざるを得なかった。ただし、予定よりも早くピットインしたため、ハードタイヤで最後まで走り切れるかどうかが微妙になってしまったわけだ。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第7戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


 そして、24周目にその決断を迫られる瞬間が訪れる。


「2番手のバルテリ(ボッタス)と3番手のフェルスタッペンとの差が縮まったため、われわれはふたりにペースアップを指示した」(ショブリン)


 その理由をトト・ウォルフ代表がイギリスのスカイ・スポーツにこう説明している。


「あのとき、バルテリとマックスの差が1.2秒縮まった。ここではニュータイヤでのアドバンテージ2、3秒あるから、マックスにアンダーカットされないようペースアップさせた」


 25周目、ボッタスはペースアップしたが、フェルスタッペンの差は1.4秒と、コンマ2秒しか広がらなかった。つまり、この周にフェルスタッペンがピットインしてミディアムタイヤに交換していれば、まだボッタスをアンダーカットすることは可能だった。


 もちろん、メルセデス陣営がそれを見越して、ピットインせずに1ストップのままレースを続けていれば、フェルスタッペンのアンダーカットは成立しないわけだが、それでもまだ逆転のチャンスはあった。


 それは26周目にピットインしてミディアムタイヤに交換した後のピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)のペースを見ればわかる。ピットストップでガスリーは16番手まで後退するが、最終的にランス・ストロール(レーシングポイント)の5秒前の8位でフィニッシュした。ピットアウト直後のストロールとの差は16秒だったから、約21秒縮めたこととなる。つまり、ピットストップロスを十分カバーできた。


 では、なぜレッドブル・ホンダ陣営は、25周目に動かなかったのだろうか。それはフェルスタッペンの後方の4番手にいたダニエル・リカルド(ルノー)の存在が大きく関係していた。24周目時点でのフェルスタッペンとリカルドの差は約15秒。つまり、ここでピットインしたら、リカルドの後方へ下がってしまう。


 通常であれば、レースペースが異なるルノーをオーバーテイクすることはそんなに難しくはないのだが、今年のベルギーGPでのルノーは、スパ・フランコルシャン・サーキットに対して、極端なローダウンフォース仕様で戦っており、ストレート区間がかなり速かった。そのため、タイヤを履き替えてもオーバーテイクできるかどうか、レッドブル・ホンダ陣営としては確信が持てなかった。


 果たして、フェルスタッペンはアンダーカットにいかず、ステイアウト。それを見たメルセデスはペースアップをやめて、タイヤを労り始める。こうして、トップ3は膠着状態のまま、チェッカーフラッグを迎えることとなった。


 フェルスタッペンにわずかにあった、逆転勝利のチャンスを潰したのは、皮肉なことに2年前のチームメートだった。

2020年F1第7戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が3位を獲得
2020年F1第7戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が3位を獲得

2020年F1第7戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第7戦ベルギーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第7戦ベルギーGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)



(Masahiro Owari)




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