F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

【津川哲夫2018年私的ベストメカ3/5】アップライト周辺に見える、メルセデスとフェラーリの車体コンセプトの違い

2019年1月21日

 改めて言うまでもなく、現在のトップチーム同士の戦いは1000分の1秒差を争い、マシンのパフォーマンスはそのタイム差と同様に限りなく拮抗している。F1マシンの性能の90%以上がエアロで決るとはいわれる現在ではあるが、残り10%の開発・性能を外せば、もはや競争にはなり得ない、それが近代F1の現実だ。


 2018年は成績的にはメルセデスW09が他を圧倒したのは事実だが、マシン性能面で考えると、W09にこれまでのような他を圧倒するようなアドバンテージは感じられず、多くのサーキットでライバルのフェラーリSF71HやレッドブルRB14に対して苦戦を強いられてきた。


 特にフェラーリSF71HとメルセデスW09は極めてパフォーマンスは僅差で、状況が違っていればチャンピオンシップ獲得さえ危なかったかもしれない程だった。


 そのなかでも、1/1000秒を争う銀と赤のトップマシン2台はマシンヘの考え方、開発コンセプトは驚くほど違っていた。ここにリヤエンドの写真がある。右側がメルセデスW09で、左側がフェラーリSF71H。写真を黙視すると、すぐに2つの違いが見える。

津川哲夫の津川哲夫2018年私的ベストメカ3/5 メルセデスとフェラーリのアップライト周辺比較
2018年のメルセデスとフェラーリのアップライト周辺比較図。2019年マシンもおそらくそれぞれ踏襲される見込みだ


 ひとつはトップウィッシュボーンのアップライト側の付け根(赤丸)。そしてプルロッドの搭載位置(青丸)の圧倒的な違いだ。


 左側のフェラーリはL字型のエクステンションブラケット(1)でピックアップポイントを思い切り車体側に寄せていて(3)、メルセデスは逆にホイール面(WL)いっぱいまで外側へと伸ばしている(4)。これはそのままアッパーウィッシュボーン(アッパーアーム)の長さの違いを現している。


 そしてプルロッドの取り付けも、フェラーリは短いウィッシュボーンであるのに対し、メルセデスはアップライトのマウントブラケット(2)に直に取り付けられている。プルロッドはフェラーリが短く角度(α)も立っているが、メルセデスはかなり寝ているのが特徴的だ。


 単純に考えればフェラーリはストロークを大きくメルセデスは小さく設定しているわけだが、この違いは両マシンのエアロコンセプトに起因していると言える。フェラーリはレーキ(前傾)角を、メルセデスはフラットフロアでのエアロでの追求した結果なのだろう。


 また、ブレーキダクトフィン(5、6)もドライブシャフトセンター(DCL)を中心に上下に分かれて搭載されている。タイヤ周りとフロアディフューザーへのアプローチの違いが明確だ。


 これほどコンセプトの違いがあっても、コース上で争うのは1/1000秒。これがF1テクノロジーの凄まじさと言うわけだ。



(Tetsuo Tsugawa)




レース

5/24(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
5/25(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
5/26(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※モナコGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン169
2位シャルル・ルクレール138
3位ランド・ノリス113
4位カルロス・サインツ108
5位セルジオ・ペレス107
6位オスカー・ピアストリ71
7位ジョージ・ラッセル54
8位ルイス・ハミルトン42
9位フェルナンド・アロンソ33
10位角田裕毅19

チームランキング

※モナコGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング276
2位スクーデリア・フェラーリ252
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム184
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム96
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム44
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム24
7位マネーグラム・ハースF1チーム7
8位ウイリアムズ・レーシング2
9位BWTアルピーヌF1チーム2
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
第10戦スペインGP 6/23
第11戦オーストリアGP 6/30
第12戦イギリスGP 7/7
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.5 第5戦中国GP & 第6戦マイアミGP