スタート前に強い雨が到来、セーフティカーでのスタートとなったF1イギリスGP。メルセデスとニコ・ロズベルグのやりとりがペナルティの対象となり、さらに無線規制に注目が集まることになった。52周のドラマを、無線を中心に振り返る。
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<LAP0>
ニコ・ヒュルケンベルグ←(チームからドライバーへ)「このままウエットタイヤで引っ張って直接ドライタイヤに換えるか、いったんインターミディエイトに換えるかという選択になる」
<LAP1>
ルイス・ハミルトン→(ドライバーからチームへ)「タイヤ温度を上げるにはセーフティカー(SC)が遅すぎる」
セバスチャン・ベッテル→「ターン8周辺とウェリントンストレートからターン6まで、かなり水しぶきが上がっている」
<LAP2>
ルイス・ハミルトン→「まだ大きな水たまりがあってアクアプレーニングしている」
<LAP3>
ルイス・ハミルトン→「路面的にはインターミディエイトへの交換は、すぐだと思う」
→「SCが本当にすごく遅い。これじゃタイヤの温度を上げるのが難しいよ」
<LAP4>
マーカス・エリクソン→「インターミディエイトへの交換は、そんなに先じゃないと思う」
←「そうだと思う。他チームも同じ考えだ」
ルイス・ハミルトン→「チャーリー(ホワイティング/レースディレクター)、レースできるよ!」
<LAP5>
ニコ・ヒュルケンベルグ←「ドライタイヤまで、どのくらいだと思う?」
→「かなり遠いよ、ノーチャンスだ」
ダニエル・リカルド←「この周SCが入る。タイヤは、どう思う?」
→「インターミディエイトでアクアプレーニングは切り抜けられると思う」
<LAP7>
パスカル・ウェーレイン→「アウトだ。ターン1でアクアプレーニングが起きて、どうすることもできなかったよ」
<LAP10>
マーカス・エリクソン←「スローダウンしてピットインしてくれ」
→「わかった。エンジンが何かおかしいよ」
<LAP11>
ニコ・ロズベルグ←「このタイヤをドライに交換するまでキープする必要がある。労ることが大切だ」
<LAP13>
マックス・フェルスタッペン←「いまハミルトンと同じペースだ。他は1秒遅い」
<LAP14>
マックス・フェルスタッペン→「路面は、かなり乾いてきている。まだスリックタイヤは履けないけど、かなり近づいてきていると思う」
←「OK、良い情報だ」
<LAP15>
ケビン・マグヌッセン←「ケブ、路面はどうだ?」
→「まだウエットだよ」
<LAP18>
フェルナンド・アロンソ→「たくさんポジションを失った。2台同時じゃなくて、どちらか1台だけピットインさせるべきだった。彼(ジェンソン・バトン)は、みんなの後ろでコースに戻ることになった。こんな状況下で、2台が同じ戦略で戦ってもしょうがないじゃないか」
<LAP22>
ルイス・ハミルトン←「オープンマインドでいけ。みんな、このタイヤで最後まで走り切ろうとしている」
→「僕は最後まで行きたいよ」
<LAP23>
ジョリオン・パーマー←「クビアトに(譲れという)ブルーフラッグだ」
→「ありえないよ!」
<LAP25>
フェルナンド・アロンソ→「(コースアウトして)クルマが大丈夫かどうか、わからない。大丈夫だと思うけど、とても残念だ」
←「OK、チェックしているところだ」
リオ・ハリアント←「リオ、抜け出せるか?」
→「無理だ、バリアに当たってしまった」
←「OK、スイッチを切ってくれ」
<LAP28>
セルジオ・ペレス←「ターン1はクリアになったが路面は、まだ滑りやすい」
<LAP30>
マックス・フェルスタッペン→「カモン! ブルーフラッグがバカげてるよ!」
←「了解」
<LAP37>
フェリペ・マッサ→「彼(セバスチャン・ベッテル)は僕を押し出した!」
<LAP41>
ルイス・ハミルトン→「ブルーフラッグは出てる?」
←「彼に対しては2回出ている」
<LAP47>
ニコ・ロズベルグ→「ギヤボックスにトラブルだ!」
←「ドライバーデフォルトだ。シャシーデフォルト01を実行してくれ」
←「7速を使わずに走ってくれ」
→「どうやって? スルーしてシフトすればいい?」
←「そうだ、スルーしてくれ」
<LAP48>
マックス・フェルスタッペン←「ロズベルグは無線でのメッセージについて審議中だ」
<チェッカー>
ルイス・ハミルトン←「素晴らしいレースだった。イギリスGPで素晴らしい仕事をしてくれたよ」
→「チームのみんな、ファクトリーのみんなも含めて、みんなの絶え間ない努力に感謝している。本当にありがとう」
マックス・フェルスタッペン←「P3だ。また素晴らしいレースだった。モード0にしてくれ。ロズベルグの1.3秒後方で、彼は審議対象になっている」
→「とても楽しいレースだったよ。チャレンジした。みんな、良いクルマをありがとう」
←「ベケッツでのオーバーテイクは最高だったよ!」(クリスチャン・ホーナー)
(米家峰起/Text:Mineoki Yoneya)