Toro Rosso

【今宮純】シンガポールGPドライバー採点&短評

9月26日

 今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。シンガポールGPの週末を通して22人ドライバーのなかから「ベスト・イレブン」をいつもは選出するのですが、今回は11人に+ひとり。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視してチェック。
(最高点は☆☆☆☆☆5つ)

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 今回「ベストイレブンPLUSワン」としたのは、2時間オーバーの“耐熱戦"に耐えきった彼ら12人を取り上げたかったから。脱水症状(コクピット熱中症)での戦いは最近なかった異常事態。なぜそうなったか。新PUの内部過熱状態は限界寸前でこれほど過酷なレースを数年、僕は見ていない。TV的にはあまり描写されなかったが壮絶なるドライバーズ・フィジカルレースだった。



ケビン・マグヌッセン
耐え切れぬ“サウナ風呂状態"に陥り、両手をコクピットから出して少しでも風を、と懸命なサバイバル走法。バッテリーは冷却できても人間はオーバーヒート、1ポイントは偉い。

マーカス・エリクソン
崖っぷちのチーム情況で彼も毎戦ラストレースを覚悟。マルシャ勢を抑えきり、小林DNSの後に15位完走は今年のベストレース。

☆☆

フェルナンド・アロンソ
とどまるか去のるかと、スクーデリア内部が揺れている。99.99%契約保留でいたのにモンテゼモロが勇退、新体制の真意が測りかねない情勢に変化。パドックではマネージャーと二人きりの時間が目立ち、やるべきことはやっているものの「滅私奉公」ぶりが感じられないように映った。

バルテリ・ボッタス
あと1周、限界に達したリヤタイヤが遂に壊れ6位から11位転落。ライコネンたちを巧みなアクセリングで抑え続けた間に摩耗が進んでしまった。が、自らが盾になってマッサ5位を安泰に、野球でいう犠牲バントプレー。

パストール・マルドナド
壁際を攻め込む彼は鬼神のようだ。12年ウイリアムズで予選2位、あのスライディング走法が今も印象に残る。グロジャンでさえじゃじゃ馬を乗りこなせないのに今季自己ベスト12位。シンガポール公道はベネズエラの道に似ている(?)。

☆☆☆

ルイス・ハミルトン
2戦連続ハットトリックは完璧。54周目、タイヤ片が散乱するストレート途中6コーナーでベッテルを豪快にパス。あれはリタイア観戦中のロズベルグへの“見せつけ?"か。

セバスチャン・ベッテル
土曜FP3、セクター3に居て昨年と同じクリップから早めのプッシュオンを目撃。得意コースで甦った彼、ニューシャシー投入効果もさることながらすっきり踏めていた。迷いなきアタックに鈴鹿への期待を実感。

ダニエル・リカルド
パワー変動とブレーキ変調がなければもっと行けたはずだ。また、レッドブル・チームがオーダーを出し2位に出していればあと3点獲れた。首位ハミルトンに57点差に迫れたこの幻の3点が響かねばいいが。個人的には復活ベッテルをMB勢の刺客とし、リカルドをアシストさせたら残り5戦にかすかなチャンスありと見る。

エスティバン・グティエレス
イケメン君が大暴れ。トラブル・リタイア率50%だけにピットで暴れた気持ちはよく分かる。これほどフェラーリPUに不具合が起きるのはなぜか、限界試験台にして壊れたらその部分ルール上“改善対策"が可能だ。それを受け入れざるを得ないザウバーの財政情況、PUリース代金と相殺か(?)。リタイアするまでスーティル以上の走りを正当評価する。