不振続くセルジオ・ペレス。ホーナー代表も「適応に苦戦している」と認める/F1カナダGP
セルジオ・ペレスのカナダGPでの戦いは、実質的にクラッシュで幕を閉じた。レースの多くをトップ10圏外で過ごした後、52周目にターン5に進入する際にスピンを喫したのだ。
ペレスは2週間前のモナコではファーストラップでクラッシュし、その1週間前のエミリア・ロマーニャGPでは大きく順位を落としているため、過去3レースでわずか4ポイントしか獲得できていない。事実、彼のパフォーマンス不足はコンストラクターズ選手権のトップに立つレッドブルのポジションを危うくしている。
過去3レースでは、マクラーレンがもっとも多くのポイントを獲得したチームとなり、レッドブルに対して24ポイントを挽回。ランド・ノリスは、この傾向は今後も続くと確信しており、「僕たちは毎レース2台のマシンで多くのポイントを獲得しているが、レッドブルでポイントを獲得しているのはマックスだけだ」とも口にした。
ペレスはモナコGP後に2年間の契約延長を確保し、チーム代表のクリスチャン・ホーナーから全面的なサポートも受けているが、レッドブルでのペレスの将来が十分保証されているのなら、彼はすぐに態勢を立て直す必要があることをクリスチャン・ホーナー代表も認める。
モントリオールでペレスが難しい週末を過ごした後、ホーナーは「チェコ(ペレスの愛称)はカナダでの出来事は忘れて、次のバルセロナへと向かって立ち直る必要がある」と主張する。ホーナーは契約を更新したドライバーに対して今一度信頼を寄せ、次のように明言した。
「彼にはそうできる能力があることはわかっているし、懸命に戦って戻ってくると確信している」
「今日は、フェラーリがポイントを獲得しなかったので幸運だったとも言える。彼らはコンストラクターズ選手権で我々から多くのポイントを奪っていたかもしれなかった」と認め、「最初の4レースのように、チェコが上位でポイントを獲得する必要がある」と、彼の活躍を強く求めている。
カナダでの週末を通して展開した難しいコンディションは、ペレスの弱点に不利に働いた。ホーナーはその点を率直に認め、「マシンの調子が悪ければもちろん彼は苦戦するし、コンディションに適応するのにもいっそう苦労した」と振り返る。
「金曜日に走行距離を稼ぐことができず、実際に劣勢になってしまった。だから我々は彼とともに考え、『バルセロナにはより強くなって戻ろう』と言うつもりだ」
しかしホーナーはチームにも責任の一端があるとし、ペレスのペース不足は「予選では、マシンに抱えていた問題が少々影響するなど、いくつかの要因が重なった」とコメントする。また改めてホーナーは、「ヨーロッパに向かうにあたり、彼を快適な状態に戻すために、彼とチームが検討すべきことはたくさんある」と締めくくった。