2024.06.20

【F速プレミアム】
王者フェルスタッペンの戦い:「モントリオールの予選とレースで順調だったのは、うれしい驚き」


(c)XPB Images
 2024年F1第9戦カナダGPでは惜しくもポールを逃したものの波乱のレースを制し、レーサーとして最高の満足を得られたというマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。F1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーがレース週末を語る。
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 F1カナダGPは、路面コンディションが様々に変化する実にスリリングなレースだった。そして、現ワールドチャンピオン、マックス・フェルスタッペンの言葉を借りれば、「些細なミスが重大な結果をもたらすようなレース」でもあった。

 ともあれ、マックスは一度も大きなミスを犯さず、彼のチームも同様だった。F1での通算60勝目、バーレーン、サウジアラビア、日本、中国、イモラに続く今季6勝目をあげたフェルスタッペンは、こう語っている。「チームとしての取り組みは完璧だった。僕らはひとつの手違いもなく、つねに冷静さを保っていた」

 さらに言えば、これはマックスにとって過去75戦のF1レースでの50勝目であり、モントリオールでは3連勝だ。ただ、予選では「0.000秒差」でポールポジションをメルセデスのジョージ・ラッセルにさらわれた。両者は1000分の1秒台まで同じタイムを叩き出したが、先にそのタイムを記録していたラッセルにポールが与えられたのだ。

 きわめて不安定なコンディションでのレースについて、フェルスタッペンは述べた。「まさに全力での戦いを強いられた。ピットストップのタイミングは完璧で、マイアミではセーフティカーに関してアンラッキーだったけど、今回は僕らの方がツイていた。運に関することは、年間を通じて見れば、結局は差し引きゼロになると思っている」
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 だが、コックピットの中では、すべて順調というわけではなかった。マックスはレースを戦いながら、彼のクルマのライド(路面追従性)がいかにひどいかを訴え続けていた。フィニッシュ後にフェルスタッペンは語っている。「基本的な問題はまだ解決されていない。だけど、セットアップをさらに詰めていくことで、最終的にはこのクルマの長所を損なわずに、難点を取り除けるはずだから心配はしていない」

「モンテカルロとモントリオールでは、縁石を積極的に使って走れるようなクルマが必要だ。そして、誰もが知っているように、僕らのクルマの短所はそこにある。縁石を使うことがそれほど重要ではないサーキットでの戦いを、楽しみにして待つしかないね」

「正直なところ、今回はとても厳しいレースだった。けれども、結果として勝つことができれば、それだけ満足感も大きい。実際、レーサーとして最高の満足を得られるのは、まさにこういうレースなんだ」

「僕の立場からは、とても興味深いレースでもあった。コンディションが変化するにつれて、その時々の状況で一番速いのがマクラーレンだったり、メルセデスだったり、あるいは僕らのクルマだったりしたからだ」

「でも、概して言えば、どう考えても2023年のような楽な戦いにはなりそうにない。僕たち自身も昨年の方が強かったし、信頼性に関しても高い水準にあった。今年はあらゆる面で少し厳しくなっていて、まだ完全には解明されていない問題もいくつある。チームはそういった課題に取り組みながら、同時に僕らの長所はそのまま維持することを目指している」

 究極的には結果がすべてであり、そこへ到るプロセスは評価されないのがF1の世界だ。カナダでの結果は、マックスにとっては文句なしだった。自身が優勝を飾っただけでなく、タイトル争いの最強のライバルでモナコのウイナー、シャルル・ルクレールがモントリオールでのレースをリタイアで終えたため、選手権ポイントの差を25点広げることができたのだ。

 この週末を振り返って、フェルスタッペンは言う。「モナコの週末はとても厳しいものだったし、モントリオールも僕らの得意なサーキットではないことは承知していた。そう考えると、予選でもレースでも順調だったのは、うれしい驚きと言ってもいいだろうね」

(c)XPB Images

(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)

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