【】ハースと技術提携のダラーラってどんな会社?
10月4日
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ロマン・グロージャンとの契約を発表したハースは、アメリカのノースカロライナ州に本拠地を置いていますが、周知の通りダラーラと技術提携をしてイタリアの同社ファクトリーでマシン開発を行なっています。他カテゴリーのマシン開発でも知られるダラーラとは、どんな企業なのでしょうか?
ダラーラは航空力学者のジャンパオロ・ダラーラがフェラーリやデ・トマソを経て1972年に興したレーシングカーコンストラクターで、イタリアのミラノとマラネロのほぼ中間に位置するバラーノに本拠を構えています。これまでに様々なカテゴリーのレーシングカーを設計・製造し、現在ではGP2やGP3、フォーミュラE、ワールドシリーズ・バイ・ルノーやインディカーなど世界中のワンメイクカテゴリーで圧倒的なシェアを誇っています。
日本でも2014年からスーパーフォーミュラのSF14を供給しているほか、F3の世界でも他メーカーを圧倒して事実上のワンメイク状態になっています。
これだけ多くのカテゴリーで用いられているのは、ダラーラにそれだけの技術力と製造精度があるから。日本でも大手総合化学企業の東レが童夢カーボンマジックを買収したように、カーボンコンポジットの技術は特殊であり、特にレーシングカーのパーツで多用されるその分野で高いノウハウを持っていることは同社の大きな強みだと言えるでしょう。風洞やシミュレーター技術にも長けており、最近では多くのGP2/GP3チームが自社専用シミュレーターを導入しているほか、ダラーラのファクトリーには6ポストのムービングアームを備えた巨大なシミュレーターが2010年から導入されています。
F1では1988年から92年までスクーデリアイタリアと組んでマシン制作を請け負ったほか、1999年にはホンダのF1プロジェクトのテスト車体製造も担当。2010年には新規参戦のヒスパニアチームの車体制作を担当しています。2016年から参戦するハースは本拠地はアメリカ・ノースカロライナ州、運営拠点はイギリス・バンベリーに置いていますが、車体の制作に関してはダラーラの技術を生かして行なわれることになります。パワーユニットやギアボックスなどがフェラーリから供給され、マラネロの風洞施設を利用していることもあり、車体に関してはほぼ“メイド・イン・イタリア”ということになります。
レーシングカー製造に関するノウハウの豊富なダラーラとの提携ですから、ハースは初年度からクオリティの高いマシンを制作してくることが予想され、フェラーリとの提携もあって好走が期待できるはずです。