【】ナイトレースのシンガポールGP、スタッフたちはどう過ごす?

9月19日

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 ナイトレースとして開催されるシンガポールGPの週末は、どのチームもヨーロッパ時間で動いていることは良く知られています。実際にはどのようなスケジュールでレースに臨んでいるのでしょうか?
 あるチームのスタッフは、次のように説明します。

「我々は火曜日から現場で動き始めているけど、最初は完全にヨーロッパ時間というわけではなくて、午前10時からの作業スタート。週末に向けて少しずつヨーロッパ時間にシフトしていくんだ」

 木曜は深夜31時、つまり金曜の午前7時が夜間作業禁止スタートですが、早めに作業を始めていつもより少し遅いくらいの午後10時くらいには作業を終えてサーキットを後にするというのが多くのチームのスケジュール。

「ウチはスタッフのほとんどがイギリス人だから、その後に街へ繰り出してクラブを何軒もハシゴしてビールを飲みまくったよ。ホテルに戻ったのは午前5時。最後の方はあんまり記憶がないんだけど……」

 そんな猛者もいる中で、もちろん大人しく夜を過ごしているチームスタッフもたくさんいますが、金曜はFP-1開始3時間前の午後3時が作業スタート解禁。ですから木曜からは「少なくとも午前4時くらい、できれば6時くらいまでは起きていて、昼過ぎに起きて金曜のスケジュールを開始する」というのがチームの動きです。

 金曜はFP-1の前に“昼食”をとり、セッションとセッションの間に“昼食”。セッション終了の午後11時から“夕食”をとって、午前8時の作業禁止時間までメカニックたちはマシンの整備を行ない、エンジニアやドライバーたちはミーティング。ドライバーは午前3時頃にサーキットを後にしてホテルに戻ります。

 土曜と日曜もほぼ同じで、時差6時間のヨーロッパ時間で生活。こうなると“夕食”を食べたい時間には周辺のレストランは全く営業していませんが、パドックのホスピタリティスペースで食べて帰るか、ホテルのルームサービスを利用するというかたちにしているそうです。ドライバーたちはレース週末に摂ることのできる食事の栄養素も限られていますから、チームのホスピタリティスタッフが専用食を用意しています。

 ヨーロッパ時間のままで過ごせば良いとはいえ、周囲の環境は夜ですし、華やかな街の誘惑も多いのでどうしても生活リズムが狂ってしまうシンガポールGP。夜になっても暑さと湿度は体力を奪いますし、外から見るほど華やではなくツラいレースのひとつなのです。