【】レースに行くまでの治安が良い国、悪い国

8月29日

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 毎年19〜20のレースが開催されているF1では、関係者が訪れる場所には先進国もあれば発展途上国もあります。
 F1開催国の中で最も治安の良い国といえば、モナコかもしれません。世界有数の富裕層が集まる国として知られていますが、それだけに街中には警官があちこちいて目を光らせています。グランプリ期間中は公道を封鎖してレースが行なわれるだけに、警察による交通コントロールも厳格に行なわれていて、関係者の間では「モナコの警官には絶対に逆らってはいけない」と言われるほど。モナコの警官は高身長と美貌が採用条件にあると言われるほどで、皆一様に威圧感もあります。

 それ以外にもドイツやオーストリアは厳格な国民性もあって、街が綺麗で治安が良い印象です。ルールがしっかりしていて、なおかつ誰もがそれにきちんと従うので、国全体がしっかりしているというわけです。たとえばこれらの国では電車も改札がなく、やろうと思えば切符を買うことなくホームに行って電車乗れてしまいます。しかし誰もがきちんと購入して乗車していることにも国民性が表われていると言えるでしょう。

 逆に、同じヨーロッパでもイタリアやスペインでは要注意。車のタイヤをパンクさせてその隙に荷物を奪い取る強盗や、財布やカメラを狙ったスリなどは当たり前のようにいます。しかしこうした軽犯罪に注意するというのは日本以外では当たり前のことなので、非常に治安が悪いとまでは言えないでしょう。

 最も危険と言われていたブラジルも、かつてはF1ドライバーや関係者が銃を持った強盗に襲われたこともありましたが、少なくともサンパウロに関しては最近は景気の良さもあってそこまで治安が悪いということはありません。命の危険を感じることは少なくなりましたが、それでも街中ではクルマに乗っていても突然ドアを開けられて携帯電話を奪われたり、中級以上のホテルやマンションには必ず銃を持ったセキュリティがいて警備しているという意味では、全レース中で最も治安が良くないグランプリかもしれません。

 政情不安でキャンセルになったこともあるバーレーンは、最近では反政府運動が沈静化しているため危険な雰囲気はありません。ロシアも高級避暑地ソチでの開催ですし、プーチン大統領の肝煎りで行なわれているだけあってセキュリティは万全です。かつて開催されていたインドも衛生面の問題はあったものの、グランプリに関しては治安の問題はありませんでした。

 極論すれば、F1は膨大な物資と人が動くため、それなりに資金力があり治安の保たれた場所でしか開催されません。F1の側もそれを要求しますし、開催する側もそれだけの条件が整わなければF1開催に漕ぎ着けることができないからです。
 ですから参加者も観戦者も、常識の範囲内で自衛のための注意を払っていれば問題はないのです。