【】ベルギーGPで導入のスタート規制とは?

8月22日

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 ベルギーGPからスタート手順が変更され、エンジニアが支援することが禁止されドライバーが全て独力でスタートを切らなければならなくなりました。具体的には、どのような規制が導入されたのでしょうか?

 これまでF1のスタートでは、ガレージからグリッドに向かう際やフォーメーションラップ中にスタート練習とクラッチバイトポイントファインダー(クラッチ厚の測定)を行ない、最適な半クラッチ状態を作り出すためにエンジニアが最適なクラッチのバイトポイント(クラッチマップ)調整をドライバーに指示していました。しかし、7月9日付けでFIAテクニカルディレクターのチャーリー・ホワイティングから全チームへ通達された技術通達書においては、エンジニアがスタート手順を手助けするのを完全に防ぐために、以下の点が禁止されています。

 まず、決勝スタート30分前から15分までまでのピットレーンオープン時間中にグリッドに向けてガレージを後にした瞬間から、クラッチのバイトポイント変更は禁止(決勝スタート後は可能)。

 さらにバイトポイントファインダーの作動も禁止。つまりバイトポイント調整はガレージを後にする前に全てを終えなければなりません。
 また、フォーメーションラップとレコノサンスラップ中の無線によるエンジニアからの指示は、マシンに問題が発生した場合の指示やピットインの指示以外は禁止。これによって、あらゆる疑惑が生じないように防衛策を張っているわけです。

 ただしスタート用のスロットルマップやバイトポイントなどは事前に登録しておいてワンタッチで呼び出すことができるため、ドライバーが行なう作業はこれまでとほとんど変わらず、バイトポイントの調整がなくなり、リアタイヤのバーンアウトによるウォームアップ回数を自分の感覚を頼りに行なう以外は何も変わりません(2016年からは1クラッチパドルのみになるため大きく変わりますが)。

 ドライバーたちの中にも「完璧なスタートができなくなるだけで、それほど変わらない」「GP2でやっていたことと全く同じなので不安はない」「アンチストールシステムがあるから、グリッド上でストールして混乱が起きることはないだろう」と、大きな変化はないだろうという見方が大半です。

 今回は暫定的な措置としてスタート規制が導入されましたが、本格的な変化が見られるようになるのは2016年からになるのかもしれません。