【】“オプション契約”ってなに?

7月26日

xpb
 ザウバーが2016年のドライバーラインナップを発表し、そろそろ来季のドライバー契約が噂に上り始める時期になりましたが、契約報道などでよく耳にする“オプション契約”とは一体どんなものなのでしょうか?

 一般的にドライバー契約は1年であったり2年であったりと期間が区切られていますが、その本契約とは別に用意されている条項がオプションと呼ばれるものです。例えばその後の契約延長に関して規定している項目で、これはチームやドライバーにとって他者と交渉する前の優先権のようなものと考えることができます。

 チームもドライバーも基本的には安定のために長期契約を望むものですが、スポンサー事情やパワーユニット契約期限などチーム体制が変化する可能性がある場合や、今季新たにホンダと組んだマクラーレンのように競争力が不透明な場合などは、早期に契約が終了するような条件での契約を望み、それ以上の延長に関してはオプション扱いにすることが多いのです。

 具体的に言えば、8月末日まではチーム側が契約を延長する権利を持っている、などと期限を区切った条項です。それまでにチーム側がオプションを行使すれば契約が延長される、もしくは何もアクションを起こさなければ自動的に契約延長となるといったかたち。ですから、オプション期限前後のドライバーたちは特に成績に対してナーバスになったりもします。

 逆に、契約を早期に解約する条件をオプションとして設定している場合もあります。ある一定の期日まで「ランキング何位以内」「何ポイント以上」という成績を達成していなかった場合は一方的に契約を解除することができるという、いわば保険のような条項もあります。

 オプション条項はチーム側が有利な場合もあれば、ドライバー側が有利な場合もあり、その時々の状況に応じて定められるわけですが、どちらにとっても今すぐには決められないが将来に向けて取り決めておきたい保険的な要素を条文にしたものと言えるでしょう。