【】レッドブル&HRC密着:混戦の予選で「完璧と言ってもいい」ラップを披露しポール獲得。一方でチーム内には暗雲が漂う
3月9日
F1開幕戦バーレーンGPに続いて、2戦連続でポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。最後のアタックで自己ベストを更新できなかった理由を次のように説明した。
「Q3の1本目があまりにもいいラップだった。完璧と言ってもいい。それに比べると、2本目は9コーナーと10コーナーのあたりでちょっとミスがあって、ああ、これじゃタイムを更新できないと思って、途中でやめたんだ。あのミスを取り戻すためには、相当無理をしないといけないから、クラッシュするリスクは冒したくないと思った」
予選は2番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)から6番手のランド・ノリス(マクラーレン)までの5人が、コンマ4秒にひしめき合う大混戦。その集団をコンマ3秒以上引き離したフェルスタッペンのアタックは圧巻だった。
開幕2連勝に向けて、視界良好のように見えるフェルスタッペンだが、この日の予選後の会見では翌日のレースだけでなく、自らと所属するチームの将来に対する発言もしていた。というのも、予選前にオーストリアの『ORF』が、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコがサウジアラビアGPを最後に停職する可能性があると報じていたからだ。もちろん、その背景にあるのは、クリスチャン・ホーナー代表の不適切行為の疑惑を巡るチーム内の権力争いであることは想像に難くない。
予選後の記者会見で、マルコがこのグランプリを最後にチームを去るという噂について尋ねられたフェルスタッペンは、こう答えた。
「僕としてはヘルムートのことを尊敬しているし、一緒に成し遂げたことはとても大きなことだ。もちろん、彼への忠誠心はとても大きい。また、僕はチーム内のみんなに対して、特に上層部に対しては、僕の将来に対する意思決定において彼(マルコ)の存在が重要な一部であることを一貫して表明してきた。だから、彼がチーム内に留まることはとても重要だ。もちろん他のみんなも含めてね。重要な柱がいなくなることは、僕にとって悪いニュースになるだろう。ヘルムートには残ってもらわなければならない」
「彼はディートリッヒ(・マテシッツ)とともにこのチームを築き上げてきた人物で、これまでずっとチームとチーム内のすべてのスタッフたちに忠実だった。だから、彼がやってきたことに僕たちは敬意を払うことも非常に重要だと思う。それは忠誠心や誠実さにもつながる。彼がチームの一員であり続けることは、僕にとっても重要なことなんだ」
最強軍団はいま、大きな岐路に立たされている。
(Masahiro Owari)
マックス・フェルスタッペン関連記事
- フェルスタッペンがF1中国GP初優勝。セーフティカー出動も2位に13秒以上の差「ペースや一貫性、すべてに満足」
- レッドブル100回目のポールをフェルスタッペンが獲得「今日は狙っていた。ワンツーで記録を飾り最高の日に」F1中国GP
- フェルスタッペン、トラックリミット違反を繰り返し4番手「雨ではマシンが機能しなかった」/F1中国GPスプリント予選
- 王者フェルスタッペンの戦い:フリー走行での苦戦を素直に認める「セットアップで自分の考えを押し通したけど……」
- F1日本GP技術解説:レッドブルの大型アップグレード(2)開口部の形状を変更。追求し続ける冷却と空力効率のバランス
- フェルスタッペン今季3勝目「すべてがうまくいった。日本のファンとホンダの前で勝てて嬉しい」レッドブル/F1日本GP