Toro Rosso

【】トロロッソ・ホンダ甘口2018年総括:2017年から大幅に向上した信頼性。戦略的PU交換で本来の性能は発揮できず

12月25日

 トロロッソ・ホンダの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。今回は2018年総括としてコース内外の活躍を甘口の視点でジャッジ。

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 栃木県さくら市にあるホンダ技術研究所 HRD Sakuraで、ホンダのパワーユニット開発指揮している浅木泰昭執行役員が、2018年の開発に関して、「ほぼ計画通りにやれたので70点から80点」だと評した。その計画とは、2017年に何度も泣かされたパワーユニットの信頼性を確立させることだった。

 まず、スペック1だ。ホンダは2017年に信頼性不足に泣かされた経験から、2018年に向けては2017年型のコンセプトを継続して、パワーよりも、まずは信頼性を着実に上げたパワーユニットをプレシーズンシーズンに投入した。開幕戦オーストラリアGPから投入されたスペック1も、テストと基本的に同仕様だったが、レースでピエール・ガスリーのMGU-Hにトラブルが発生した。そのため、第2戦バーレーンGPで早くも2基目を投入したものの、その後このMGU-Hは第6戦モナコGPまで使用された。つまり、開幕戦のトラブルは構造の根幹に関わるような問題ではなく、特定の部品の耐久性に見落としがあったと考えていいだろう。

 第6戦モナコGPの時点で、トロロッソ・ホンダのガスリーとブレンドン・ハートレーのパワーユニットの使用状況は次の通りだった。

ドライバー:ICE/ターボ/MGU-H/MGU-K/ES/CE
ハートレー:2/3/3/2/2/2
ガスリー:2/2/2/1/1/1

※ICE(内熱機関)、MGU-H(熱エネルギー回生システム)、MGU-K(運動エネルギー回生システム)、ES(エナジーストア/バッテリー)、CE(コントロールエレクトロニクス)

 ガスリーの2基目のICEとターボはMGU-Hのトラブルによるダメージが発生したためで、ハートレーの2基目のターボとMGU-HはガスリーのMGU-Hのトラブルを受けて予防的な措置による交換だった。さらにハートレーの2基目のICEと3基目ターボとMGU-Hは第5戦スペインGPのフリー走行時の自損事故による交換で信頼性に原因があったわけではなかった。