イギリスのF1チームは地元グランプリをどう過ごす?

7月4日

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 モータースポーツの聖地シルバーストンで行なわれるイギリスGPは、多くのF1チームにとって地元レース。彼らはどのようにこのグランプリを過ごしているのでしょうか?

 最もサーキットに近いところに拠点を置いているのはフォースインディアで、サーキットのすぐとなり、まさにシルバーストンにファクトリーがあります。ですからスタッフたちにとっても普段通勤しているのと同じように自宅から通うことができます。

 ただしスタッフの多くはオクスフォードなどに住居を構えており、「普段は30〜40分ほどで着くが、レース週末はグランプリ渋滞などを見越して普段よりも30分は早めに出なければならない」ため、金曜日などは朝7時の作業解禁時間に間に合わせるために朝5時半起きだったとのこと。中には渋滞を避けるためにバイクで通勤するツワモノもいます。

 また、周辺にはあまり高級ホテルがないシルバーストンゆえに、フォースインディアのドライバーたちはサーキットにモーターホームを持ち込んでそこに宿泊しているそうです。それなら渋滞もなく、お金を掛けてヘリなどで遠くのホテルから飛んでくる必要もなく、一石二鳥というわけです。ジェンソン・バトンやニコ・ロズベルグなども、オーストリアやスパ・フランコルシャンなどの不便な地でのグランプリではモーターホームを愛用していますね。

 メルセデスAMGはブラックリー(約12km)、レッドブルとホンダはミルトンキーンズ(約20km)、マノーはバンブリー(約23km)、ロータスはエンストン(約35km)とシルバーストンの近隣にファクトリーがあり、やはりスタッフたちは自宅から通うことができます。メルセデスAMGの場合は金曜日にブラックリーとパワーユニット部門ブリックスワース(約27km)のスタッフをサーキットに呼んでフリー走行の観戦を楽しんでもらうのが毎年恒例になっているほか、今年はブリックスワースに供給4チームの全マシンと全ドライバーが勢揃いする豪華なイベントが開催されました。それもサーキットから近隣に拠点を構えているからこそできることです。

 一方、ウイリアムズは約60km離れたオクスフォードシャー州のグローブ、マクラーレンに至ってはロンドン近郊のウォーキング(約90km)も離れているとあって、地元グランプリではありますがスタッフたちはホテルに宿泊し、チームの移動車での通勤となります。

 いずれにしてもこれだけ多くのチームがシルバーストン周辺に拠点を構えているのは、サーキットを中心としてパーツ製造業などを初めとしたモータースポーツ産業が形成されているから。シルバーストンがモータースポーツの聖地と呼ばれるのには、ただ単純に1950年に初めてのF1グランプリが開催されたという歴史だけではなく、現在も脈々と続くモータースポーツ産業の形成という背景があるのです。